市村アイデア賞

文部科学大臣賞

動いて見えるアナログサイネージ

受賞者 市毛 君明
学校・クラブ 千葉県 千葉市立千城台西中学校3年

図

【このアイデアを思いついたヒント】

以前に光の3 原色(赤・緑・青)のカラー偏光板を偏光の方向をそれぞれ60 度ずらし、順番に貼り付けたボードに、偏光した光を当てると偏光の角度によって色が変わる「変色ボード」を作りました。その時偏光した光の角度を変化させていくと色づく偏光板の位置に応じて移動しているように見えました。この時、偏光板をモーターで回転させて光を照射すれば、流れて動くように見える看板ができるのではないかと思いました。

【上の図の説明】

偏光板を通過した光を、別の偏光板にあてると、偏光の向きが同じ場合は光が通過し、90 度ずれた場合は光が通過しません。3 原色の色のカラー偏光板を偏光の向きを60 度ずらして置き偏光板を通過した光をあてると、その角度によって偏光板の色合いがそれぞれ変化します。実際には、3 色のカラー偏光板の向きをそれぞれ60 度ずらして帯状にカットします。これらを赤・緑・青の順番で並べると、赤色偏光板の偏光の向きと90 度ずらした。光を照射すると赤が一番明るく見え、次に、照射する光の偏光の角度を変えると他の色が良く見えるようになります。色違い(角度違い)で順番に並べているので濃く見える帯の位置が隣の帯へと移動していくように見えます。また、カラー偏光板ではなくても、黒の偏光板でも同じような現象になります。また、モーターを連続回転させずに違う角度で停止するようにすると連続的な動きではなく、角度によって全く違う表示に切り替えることができるようになります。
(「満車」「空車」等の切り替え看板)

【審査委員評】

偏光板を2枚重ねて光を透かして見ると、重ねる角度に応じて明暗が変化します。この現象を利用して、明暗のパターンが一方向に流れて見える仕組みを考え、それを看板に応用するとは、とても斬新なアイデアです。さらに色の異なる偏光板を使うことで、色が順番に変化しながら動くように見せたり、光源側に置く偏光板の角度を0度と90度のいずれかに設定することで、「満車」と「空車」の表示切替えを実現するなど、1つのアイデアを起点に次々と発想を膨らませていくところが、大変すばらしいと思います。大勢の人の目を引く楽しい看板ができそうですね。