市村アイデア賞

科学技術館 館長賞

卵の黄身を真ん中に

受賞者 森 琉惺
学校・クラブ 愛知県 刈谷市立朝日中学校 2年

図

【このアイデアを思いついたヒント】

うずらの卵をゆでたとき、黄身の位置がかたよってしまうと、殻をむきにくいので、このアイデアを思いついた。

【上の図の説明】

① 全体図
② 両たんにコルク球がついているので水に浮く。
③ 中にうずらの卵を入れるスペースがある。
④、⑤、⑥ 水をあたためると水に流れができる。⑥のように羽がついているため、⑤のように回る。
⑦ 卵の黄身は重力で下の位置になるが、回転させてゆでることで黄身の位置がまん中になる。

【審査委員評】

卵の黄身を中心に仕上げることは実は非常に難しい作業です。卵を回すタイミングや、回し続ける時間など、他の料理をしながらだとつい後回しにしてしまいがちで、「あ〜今回も失敗だ――」という経験が山ほどあります。この「卵の黄身を真ん中に」のアイデアは、ゆがき始めれば後は完全にほったらかしで、OKという点が素晴らしいですね。卵を鍋の中で水平に浮かせる治具は、板金のばね力を利用して卵を挟むように勘合する。また、この治具は鍋の水が暖められることで発生する対流を受けて自動的に回転する。加えて治具の勘合部は抜き差し可能で何度でも使える。外部から動力を必要とせず、繰り返し使用できるこの治具の設計は非常に機能的でエコロジカルだと思いました。このアイデアを発想したのは、家族がキッチンでゆで卵を作ろうとして困っている様子を目にした時?それとも、自分がゆで卵を作ろうとした時でしょうか?今後もぜひ身の回りの困りごとを観察し、創意工夫で解決する姿勢を継続してください。