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「かがく・夢・あそび」紹介
「かがく・夢・あそび」は年3回(3つのコースを)実施しています。参加対象は半日コースは市村アイデア賞表彰者で春・冬1日コースは小学4〜6年生と中学生で、春は関東地区で冬はその年の開催予定地で公募しています。

平成23年度は以下のように実施しました。
平成23年度 かがく・夢・あそび:半日コース :平成23年11月
  市村アイデア賞表彰者対象
平成23年度 かがく・夢・あそび:冬休み1日コース :平成23年12月 
  岡山県小・中学生対象
平成23年度 かがく・夢・あそび:春休み1日コース :平成24年3月
  関東近県小・中学生対象

かがく・夢・あそび:半日コース
 2011年11月18日(金)東京北の丸の科学技術館において第42回「市村アイデア賞」の表彰式を行った後、引き続き約1時間に渡って「かがく・夢・あそび」の半日コースが開催された。参加者は市村アイデア賞受賞者・引率の先生・保護者他合わせて約150名。
 今年は米村でんじろう先生によるサイエンスショーで「空気のふしぎ大実験」というタイトルのショーが始まった。
 オープニングの音楽と共に幕が上がり、テレビ等でおなじみの米村でんじろう先生が登場すると会場の子供たちは大興奮であった。
【オープニング実験】
 最初の実験は紙でできたブーメランを使ったペーパーブーメランだ。
 先生が会場に向かってブーメランを投げると、大きく円を描いて見事に先生の手元に戻ってきた。ブーメランという言葉は知っていても今の子供は実際に見る機会が少ないのか、驚きの声と共に会場は拍手喝采であった。その後先生からブーメランの作り方の説明があった。
オープニング実験 特別な材料を使用するのではなく、厚紙を用いるだけという先生の説明に会場の子供は半信半疑であった。材料は確かに厚紙だけであるが、単純に形状を作っただけでは飛ばないことも説明された。ではどうやれば飛んで元に戻ってくるのか?
 ここからが先生の本領発揮で単純に紙でできているからといっても、ブーメランは奥が深く最初に先生が見せたようにうまく飛んで元に戻ってくるようにするための説明が行われた。その説明の中ではブーメランの原理を説明して色々考えながら工夫して作ることが大切ということも紹介された。
 またこのブーメランは紙製であるため加工が簡単で、自分で色々工夫してみて更に改良できる素晴らしいものであるということも会場の子供たちは理解したようであった。
 単にブーメランといっても飛行原理を考えたり、改良することにより、色々学ぶことができる素晴らしいものであることが示された。
 このブーメランのキットがお土産にもらえると聞いて、子供たちは大喜びであった。

【スチロール飛行機】
スチロール飛行機  ブーメランに続いてはスチロール飛行機の実験だ。これは発泡スチロールで作った飛行機を飛ばすのであるが、発泡スチロールは非常に軽いものであることは皆が知っており、飛行機を作って飛ばすと、飛びはするがすぐに落ちてしまう。しかし空気の力を利用するとただの板を使ってスチロールの飛行機を落ちずに飛ばし続けることができる。これを目の当たりにして子供たちは驚きの表情であった。

【ブロアで空中浮遊】
ブロアで空中浮遊  スチロール飛行機に続いてはブロアを使った空中浮遊の実験だ。先生の手元にはハンドブロアがある。このブロアを使って色々なものを空中に浮かべてみようという実験だ。
 これは空気の流れを使った実験で、ブロアの先端には白く軽い紐が結んであり、ブロアのスイッチを入れると紐が波を打って流れるように動き、空気が流れる様子を目で見ることができる。
ブロアで空中浮遊  中に空気が入った直径30cm位のビーチボールは軽いが空中に投げてもすぐに重力で床に落ちてしまう。しかしブロアのスイッチを入れてビーチボールの方に向けると向け方によってビーチボールは床の上に落下せず、空中に浮遊させ続けることができる。先ほどのブロアの先端につけた紐の動きで空気の流れと、ビーチボールが空中に浮かんでいることが良く判る。
 続いて小さな風船を幾つもつなげて風船の輪を先生は取り出した。この風船の輪にブロアの空気を吹き付けると風船は空中に浮遊するだけではなく、回転を始めた。手を触れることなく風船が回転する様子に皆、目を奪われた。

【風船まきまき実験】
風船まきまき実験  次はでんじろう先生おなじみの風船まきまき実験だ。毎年のように受賞している子もいるので内容は知っているのだが、知っていても何回やっても楽しいのがこの実験だ。最初に直径1.2mくらいの大きな風船に空気を満たし、空気の重さを実感する実験だ。
 風船を持ってみてもそれほど重さを感じないが、この風船をパイプ椅子に向けて投げつけると、なんとパイプ椅子は数m先に吹っ飛んだ。まさに空気の重さが感じられる瞬間だ。
 その後がお待ちかねの巨大風船を使った実験で、多数の巨大風船がステージ上から会場に投入され、子供たちや父兄の手でリレーされていくが、数が多いため途中で風船同士がぶつかり思わぬ方向に移動し会場は大騒ぎであった。
 たった1時間弱の時間であったが、子供たちにとっては実験を通じて空気の不思議を学ぶ貴重な体験であった。


かがく・夢・あそび:冬休み1日コース
 今年の冬休み1日コースは初めて中国地方を訪問し、岡山県倉敷市の倉敷科学センターで開催された。日程は12月17日 土曜日が小学生コース、12月18日 日曜日が中学生コースで、時間は朝9時半から16時までの開催。倉敷は雪は無かったが、北風が強く大変寒い日であった。
 両日とも午前中の講義は2階の工作室で、電子写真の6ステップの実体験は同じく2階の研修室で、午後の複写機の分解は1階の視聴覚ホールで行われた。
 今回も公益財団法人日本科学技術振興財団の共催を得て地元のリコージャパン(株)岡山支社とリコーテクノシステムズ(株)中国東支社の皆様の多大なるご支援とご協力を頂き実施された。
 また昨年に引き続き東京から(株) リコーSS統Cの2名の方にも出張していただきご協力頂いた。
 17日の小学生コースは小学3年生から6年生までの31名の参加で行われ、この31名を8つのグループに分け1グループ4名(1グループは3名)とした。
 大山先生の講義に先立ち新技術開発財団の長澤事務局長から話があり、大山先生と坂本先生の紹介の後、「皆さんおはようございます」という大山先生の元気な声で講義が始まった。
かがく・夢・あそび:冬休み1日コース  先生の「今日はコピー機を分解します。コピー機はどうやってコピーをしているか判る人?」との質問に対し生徒の答えは無かった。小学生には難しい質問だったかもしれない。
 先生は質問を変えて「皆は授業の時にどうやってノートに黒板の内容を写しているか?」に対しては、「手を動かして写している」という答えが出た。次の質問は「手を動かさないで書ける人」でこれには生徒も大爆笑であった。
かがく・夢・あそび:冬休み1日コース この導入部をきっかけに生徒の興味が増す中、授業は進行する。「手を動かすだけでは写せない。他にはどうしているか?」と再び生徒に考えさせる質問。「目で見て頭を使い記憶する」といった答えを導き出しながら、コピー機の仕組みに巧みに誘導していく。「そうすると人間の目・頭・手に相当するものが機械の中に入っていることが想像される」と今度は機械に注意を向けさせる巧みな話術。この様にして生徒は知らず知らずのうちに大山先生の講義に引き込まれていく。
 講義が続いたのでこの辺で最初の実験。机の上には水が入れられた小さな透明のプラスチックコップが全員分用意されている。この水にガラス玉と吸水ポリマでできた玉を入れ、同じ透明の玉でも見え方が異なる事を体験し、屈折率の事を学んだ。次に「物が見えるということはどういうことか」という質問。この事を通じて光を反射するから物が見えるという光の重要な役割を学んだ。コピー機も人間同様光の反射を利用して原稿を読んでいるという説明が続く。像や画像という言葉も学び、そこからコピー機はカメラを例にして画像を見るために鏡やレンズを使用している事を学んだ。
 次は大山先生がご自分のお子様と夜なべをして作ったという2枚のボール紙の筒を用いて、レンズやミラーをセロテープで貼り付け手製のカメラを作った。そのカメラで各自蛍光灯を見て感嘆の声を上げた。先生は「今使ったレンズやミラーが午後分解するコピー機の中には一杯使われている。そのレンズやミラーはコピー機の中でどんな場所にあるのか?何のためにそこにあるのか?よく考えて欲しいと思います。」と宿題を投げかけた。
 そして見るの次は書く事を学ぶ。「見る時には機械は光を使った。では書く時には何を使っているのでしょうか?」という質問。ある生徒が「電気」と答えた。先生はすかさず「素晴らしい。先生が期待していた通りの答えです。」と褒める。

 かがく・夢・あそび:冬休み1日コースその答えの電気を使った実験が次に行われた。一人一人に用意されたブレッドボード、電池、LEDを使った実験だ。先生の指示通りに配線するとLEDは青い光を放ち、子供たちは自分の配線でLEDが青く光ったことに喜びの声を上げた。この実験セットは家に帰っても色々実験できるようにお土産として準備されたものだ。
 休憩を挟んで静電気について実験を行った。ストローをティッシュでこすって他のストローに近づけるとお互いに反発したり、近づいたりすること等を通じて静電気にはプラスとマイナスがあり反発したり引き合ったりする性質を学んだ。
 その後坂本先生から静電気の性質を利用してトナーが感光体に付き画像が形成されていく様子が判りやすく説明された。
 そして実際にコピー機の、画像が出来るまでの各ステップを自分で体験しながら自分が書いた原稿をコピーする体験学習の始まりだ。
かがく・夢・あそび:冬休み1日コース  最初に各自に配布されたOHPシートに思い思いの字や絵を描き原稿を作成する作業が始まった。例年、何を描くか悩んで中々原稿を作成できない子供が多いため、数回前から例として100位の図案をカラーコピーして各自に配布することにした。その図案を下にして真似したり独自の絵を描く子もいたが、この図案があっても悩んで中々描けない子もいた。原稿を作成したらその原稿を持って教室内に設置された暗室に入り、感光紙を帯電した後原稿と感光紙を重ねて露光し、感光紙のみを現像する工程を暗室内で行った。その後感光紙を持って暗室の外に出るが、この段階では感光紙の上にはトナーが乗っているだけで手でこすると取れてしまう。暗室を出たら感光紙から紙にトナーを転写した後、紙からトナーが落ちないように定着工程を体験した。今回使用した感光紙は使い捨てだが、通常コピー機の中では感光体は何回も再使用されるためにクリーニング工程がある。今回の教室では感光紙上に残ったトナーを、鉄粉を周囲につけた磁石で軽くなぜるだけでトナーを除去できる手動クリーニングを体験したが、余りにも見事にクリーニングできるので驚きの声が上がっていた。この様にコピー機の各工程を自分自身で行いコピーができるまでの工程を身を持って体験した。更に教室内にリコージャパン様により準備された最新のカラーコピー機2台を用いて、各自の原稿がA4の紙に16分割で好きな色で縮小コピーされ、プリクラのようなコピーが得られるリピートコピーというデジタルコピー機ならではの機能も楽しんだ。
 次の実験はデジタル画像の基礎を学ぶ実験だ。あらかじめ配布された紙には碁盤のように升目があり、先生の指示に従ってデジタル信号が来るがごとく升目を1か0かで埋めていく。信号がある場合が1で無い場合が0だ。最初の情報は先生の指示に従って書いていくと大という字になった。次の情報は先生が途中までの指示を出している時点で、早い子はもう判ったと得意げな声を上げた。そう、予想通り2つ目は山で二つ合わせて大山先生の苗字の出来上がり。コンピュータやコピー機はこの1と0という2つの組み合わせで信号を送っているという説明がなされた。先ほどの大山という字は5×5の升目なので読めることは読めるが、きれいな字ではない。ここで先生が再び「もっときれいな字にするにはどうしたらよいか」という質問をした。これに対しすかさず「もっと升目を細かくすれば良い」 という声が上がり、さすがに今の小学生はよく物を知っている。この後実際のコピー機の升目に相当するドット画像の説明がなされた。
 ここまでで午前中の講義は終了。時間の経つのは早いもので、大山先生の上手な講義のお陰で、子供たちは眠そうなそぶりも見せなかった。
かがく・夢・あそび:冬休み1日コース 昼食の前に生徒と先生の記念撮影が行われた。その後昼食で、スタッフの方たちも子供さんと同じ机で一緒に食事をした。今日はどこから来たのとか、ご両親が行きなさいとすすめたの?とか色々な話声があちこちで聞こえた。
 午後からはいよいよ楽しみにしていたコピー機の分解の時間だ。大山先生から分解するときに守らなければならない以下の項目の説明があった。
 1. ルールを守る
 2. 怪我をしないように気をつける
 3. 周りの人にも注意を払う
 4. 分解して出てきた部品は全て持ち帰ってよいが、同じ部品に希望者が多数の場合は平和的に持ち帰ることができる人を決める  等
 続いてこれからの分解は壊すのではなく、午前中に学んだコピー機の仕組みを思い出しながら、コピー機が光や電気の性質をどのように使っているか判って欲しいというお願いもあった。その理解を深めるために分解の途中で出てくるセンサーやスイッチ等を用いた実験を行うための9項目の実験指令書も配布された。
 分解用の機械は講義と同じ8つのグループに各1台ずつ準備されている。また更に付き添いの父兄用にも1台準備されている。
 大山先生からは次のような説明もあった。「私はこのコピー機を作っている工場を見学に行ったことがあります。この工場ではごみは一切出ません。今日分解して出てきた部品は生徒が持ち帰るもの以外は全て回収しリサイクルします。そのために素材ごとに分別して回収します。君たちが分解し切れなかったものは、リサイクルするためにスタッフが更に細かく分解します。そして分別した部品を東京に輸送しリサイクルされます。この様にまだ使用できる大事な機械を君たちは分解するということを忘れないで欲しい。」
かがく・夢・あそび:冬休み1日コース 各グループにはオレンジ色のジャンパを着たスタッフが1名ずつ付いており、分解開始に先立ち、このスタッフと生徒の自己紹介がグループごとに行われた。
 いよいよ分解開始だが、最初から生徒が自由に分解するのではなく、途中までは大山先生の指令に基づいて分解を行う。大山先生の最初の指令は機械の上の原稿を自動的に送るADFと外装カバーを取り外す事だ。 待ちに待った分解開始とあって会場は、先生の声もよく聞き取れないくらいに生徒の声が上がった。冬とはいえ会場の熱気はすごく、生徒のみでなくご父兄の方も用意された機械に向かって分解に没頭していた。
かがく・夢・あそび:冬休み1日コース  ある程度分解が進むと読み取りユニットと書き込みユニットを取り外して、グループごとに大山先生の所に持っていって、治具を使ってのユニットの動作の見学と更に詳細なユニットの機能説明が行われた。午前中の講義で学んだレンズやミラー等がどのような機能を果たしているかも実機で確認することができて、更に理解を深めると共に興味も一段と増したようであった。書き込みユニットはポリゴンの回転数を変化させることにより、音の周波数が変化することも体験した。
 このように高価な機械を少人数でほぼ自由に分解するような機会に恵まれ、生徒同様ご父兄の方も分解に夢中になっておられた。
 ユニットの動作説明の後、かなり分解されて中が良く見える状態になった機械を使って坂本先生からコピー機の説明が行われた。内容的には難しい部分もあるが、実機を目の前にしての説明に生徒やご父兄の方は熱心に聞き入っていた。
かがく・夢・あそび:冬休み1日コース  そして次は東京から来たリコーの技術者のOBの方による手作り作品のデモだ。この作品はOBの方たちが以前分解した時に得られた部品を用いての力作である。灯台やクリスマスツリー、念力で開く箱等コピー機とは全く関係無い作品が紹介され、コピー機の中の部品を使ってこんなことも出来るんだと関心しきりであった。また分解や説明と並行して分解で得られた部品を使っての大山先生の実験指令も実行された。
 いよいよ分解も佳境に入り、大山先生の号令の下に自由分解の始まりだ。今までより更に分解のボルテージが上がり生徒たちの興奮は最高潮に達した。
 一方生徒達の分解と並行して、分解が途中で終わったユニット等が会場の隅に集められ、スタッフの方によるリサイクルのための部品単位までの分解が進められている。ここで細かく分解された部品は、横に並べられた分別の種類が記載された紙が貼られた沢山の段ボール箱に入れられていく。各段ボール箱は見る間に部品で一杯になっていく。製品の状態では比較的小型のコピー機も分解して分別の段ボール箱に入れると、驚くほど量が増える。これを見ると如何にコピー機内に部品が集約されて組み立てられているのかが判る。
 途中の休憩を挟んで時間はあっという間に過ぎ、分解の終了の時間が近づく。先生のもうじき終了だから周りを片付け初めてという声も聞かずに、分解に夢中な生徒が多かった。
 それでもなんとか分解は終了し、最後は講義室で大山先生のまとめのお話があった。
 その後昼間撮影した集合写真と記念品を全員に配布して1日目の小学生コースは終了した。
かがく・夢・あそび:冬休み1日コース  2日目は中学生コースで28名の生徒の参加で行われた。大山先生の講義に先立ち日本科学技術振興財団の吉田専務理事から「コピー機と√(ルート)の関係?〜コピー用紙のひみつをさぐれ!〜」と題した「コピー機で使われる紙にはA列、B列があり、夫々A4,A5 B4,B5等のサイズがあり各サイズにはこのような関係がある」といった大変興味深いお話しがあった。
 その後の大山先生の講義の内容は大筋は昨日と同じであるが、今日は中学生が対象であるため話し方や一部講義内容まで変更して、生徒に合わせた素晴らしい講義が行われた。午後の分解はさすがに中学生だけあって小学生より速いスピードで行われ、夕方のまとめでは大山先生から以下のようなことが話された。
 「今日は皆さんは非常に貴重な体験ができたと思ってください。最後に先生からお願いがあります。皆さんは中学生なのできっと判ってもらえると思うので話します。この様な高価なコピー機を分解させてもらえるならまだしも、皆さんがばらばらに分解した機械を今一所懸命片付けてくれている人がいる。弁当が出たりジャンパを全員に無料で配ってもらえたり・・・、その事を皆さんだったら判ってもらえると思う。今皆さんは中学生だけれどもやがて大人になって社会に出て色々な仕事についた時に、今日大勢の人に色々してもらった事を忘れないで、皆さんも周囲の人の役に立てるようなそんな道を選んでください。そしてどうしたら周囲の人の役に立てるか、どうしたら皆さん一人ひとりが色々な力を発揮して周囲の人の為になれるか考えてください。最後にお願いです。皆さんが将来周囲の人達の役に立つには、学校で頑張って勉強してください。皆さんが頑張って勉強することは皆さんの為だけではありません。その事と今日皆さんを応援してくださった方々の事を忘れないでください。」
 この後昨日同様参加者に記念品が授与され、倉敷でのキッズ・フロンティア・ワークショップは無事終了した。

かがく・夢・あそび:冬休み1日コース
 昨年は東日本大震災の影響で開催は前日に急遽中止となったが、本年は無事開催された。
場所は毎年同じ科学技術館で日程は、3月10日土曜日に小学生コース、3月11日日曜日に中学生コースが行われた。今年の冬は例年に無く寒い日が続き、3月10日も最高気温は10℃以下で雨が降る生憎の天候であったが、小学生29人ご父兄15人と大勢の方の参加のもとに開催された。
 昨年も多数の参加者で開催される予定だったが、中止となり大変残念な思いをされた小学生やご父兄の方がいらっしゃって、今年も参加を希望され2年越しの希望が叶い喜んでいる方もおられた。これは中学生コースでも同様であった。
 まず新技術開発財団の長澤事務局長の挨拶と講師の大山先生及び坂本先生の紹介の後、2年ぶりの講義が行われた。例によって大山先生の元気な声で講義は始まった。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース 最初の一声は「コピーって何だろう?」という漠然として答えにくい質問だった。考えることを促すこの質問は一旦おいて、「コピーしたことがある人?」という質問には殆どの生徒が手を上げ、大山先生も思わずさすがに東京は多いと声を上げた。続いて「コピーをするときはどうやっていますか?」という質問。この質問には先生自ら「まずコピーボタンを押しますね」と回答。そして次は「問題はボタンを押した後、機械の中で何が行われているか?」この質問も答えにくい。そこで角度を変えて想像しやすい学校での授業の話題に転換。「学校で先生の授業を受けている時、皆さんは先生が黒板に書いたことをノートに写すと思います。この時どうやって写しているのか考えて欲しい」と更に考えを促す質問が続く。
 コピー機の中でのことと自分たちが授業を受ける時のことを対比させながらイメージしやすいように、話を進めていく。少しずつ話が核心に入っていく。いつもながらの大山先生の話術の巧みさに、生徒たちも興味が深まっていく。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース 「人間は授業中に目で見て、頭で覚えて、手で黒板の内容をノートに書き写すと同じような動作を、機械は見る、記憶する、書くという流れで行っている。しかし機械の中に人間と同じような目があるわけでもなく、手で文字を書いているわけでもない。ではどのようにしてコピーがされるのか?」
 ここでまた別の質問が。「何を使ったら機械は物を見ることが出来るのか?物を見るために必要な部品は何?みんなもよく知っているものです。」と質問を進め、生徒から鏡やレンズといった答えを導き出していく。そして見るの次は記憶する、書くと続き静電気の働きに導き、静電気を使用した実験で講義から実験に進み、更に生徒は真剣な眼差しになっていく。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース プラスチックの棒をティッシュペーパーでこすって静電気を発生させ、トナーに見立てた発泡スチロールの粉で静電気を体験させる。静電気を少し知っている子供たちも、トナーの動きを自分で制御することが出来、大喜びであった。
 更に講義はカラーコピーの中心に入っていく。今度はLEDと実験用のプリント板、電池を使い3色LEDを色々光らせながら、光の3原色を学んでいく。LEDの実験の次は色はなぜ見えるかという実験を単色のNaランプと壁に貼った色紙で実施。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース 生徒も光と色の不思議さに更に講義に引き込まれていく。そしてデジタル信号の学習の次は坂本先生による色の話やカラーコピー機の構造の話と進んでいく。この辺になると内容的には難しいが、午後から分解する機械の中身の話であり、興味のある話なので生徒も必死に講義に聞き入っている。
 難しい講義の後は最新のカラーコピー機を使用した色重ねの実験で、イエロー、マゼンタ、シアンの順に台紙の上に色を重ねていき、講義で学んだ色の変化を体験した。
 午前中の最後の講義はデジタル信号で大山先生から送信されたデジタル信号を受信して記録していくと文字にすることが出来ること、この文字を更に綺麗に見えるようにするにはどうするか?等を学んでいった。
 講義も一通り終了し昼食前に、先生と生徒が並んで記念撮影を行った。オレンジ色のジャンパを着たスタッフ数人がシャッタを切っていた。この写真はすぐにプリントされ帰りのまとめの時間に生徒たちに他の記念品と共に一人一人手渡される。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース それから手を洗って待ちに待った食事の時間だ。生徒たちの間にスタッフが入って食事をするのが恒例となっており、今回も同様に行われた。食事をしながら各テーブルでは生徒とスタッフの間で思い思いの話題が交わされた。
 午後からはいよいよ楽しみにしていたカラーコピー機の分解だ。大山先生から「怪我をしないように」他の注意事項が話された後、分解が開始された。最初はカラーコピー機の上に載っている原稿送り装置を外し、その後は外装カバーを外す。大山先生、坂本先生から講義を受けたカラーコピー機の中身が次第に見えてくる。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース この分解はただ機械をばらばらにするのではなく、午前中の講義で学んだことの確認や、中に使用されているレンズや鏡、マイクロスイッチ等を取り出して、先生から分解前に提示されている9項目の実験指令書に基づいて、その部品を使って実験を行い、部品の機能を学ぶことも目的である。
 更に書き込みユニットや読み取りユニットはグループ毎にユニットを取り外し、大山先生のところに持っていって、特別な治具を使って機械の中にあるときと同じような動作をさせながら、実物を前に先生から更に動作説明等を受けて理解を深めていく。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース 書き込みユニット内のポリゴンと呼ばれる回転多面鏡は1分間に1万回転を超える高速回転をしており、入力信号を変化させることにより回転数が変化し、それに伴い音が変化するということも体験した。このポリゴンは生徒に非常に人気があり1台の機械に1個しか使われていないため、別途用意されたポリゴンが、夕方のまとめの時に生徒一人に1個ずつ記念品として渡される。また分解して出てきた部品は、生徒が希望するものは全て持ち帰ることが出来ると先生から聞くと、ますます分解に熱が入ってきた。
 時間の関係もあり各ユニットは全て生徒により分解されるわけではない。機械を分解して出てきた部品やユニットで生徒が持ち帰りを希望しないものは、会場内でスタッフが金属やプラスチック、ガラス等の素材単位まで分解し、分別回収することによりリユースやリサイクルされる。生徒用の分解機は各グループに1台ずつ8台であるが、付き添いの父兄の方用にも1台機械が用意されており、この日も父兄の方が熱心に分解し、この機械は構造体も残らず分解され後には部品しか残らず、機械の跡形も無かった。分解する前は9台の機械でそれほど場所を占めることも無かったが、分解後は素材単位でダンボールに分別回収されるため、その量は機械の時よりはるかに多く、如何に機械の中に部品が効率的に配置されているか判る。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース 楽しかった分解の時間も終わりに近づき、生徒は持ち帰る部品を各自楽しそうに持って、再び講義の場所へ移動。まとめの時間だ。
 大山先生からは「君たちが分解した機械の後片付けを今もやってくださっている人がいる。そのことをしっかり考えてください。どうしてこの方たちはここまでやってくださるのか。君たちも将来何らかの形で世の中の役に立つことが出来るように懸命に勉強してください。今君たちがやるべきことはこれです」という結びの言葉の後、記念品が授与されて終了した。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース 翌日の11日は中学生コースである。生徒たちの集合は早く予定通り9:30に開始された。今日の講義の前の挨拶は日本科学技術振興財団の吉田専務理事だ。挨拶の中でカラーコピー機にちなんで「写楽」の話をされた。謎の人物であることや、版画の作り方の説明が判りやすく行われた。浮世絵版画の場合は大量生産のために分業体制がとられたことや、版木がリサイクルされていたことや、ある浮世絵は30色も使われていたことが紹介された。「写楽」を知らない生徒も版画で30色も使用されていたことは驚きであった。江戸時代にどうやって30色もの色を使用することが出来たのか、その製作過程が順を追って説明された。この説明の後カラーコピー機の説明と対比が行われ非常に興味を引く判り易い説明であった。
 この後大山先生と坂本先生の紹介があり、講義に入った。今日は中学生とあって先生の講義も昨日とは一部異なり、生徒に合わせて昨日より難しい内容の部分があった。しかしさすがに中学生で難しい内容もそれなりに理解されたようである。静電気の実験やLEDを使った色の実験や講義等が行われ、午前中の講義は終了した。
本日も記念撮影とスタッフと一緒の昼食の後午後から分解が行われた。生徒が中学生だけあって、分解の手際は良く順調に分解が進んだ。
 途中でスタッフの技術者による、過去に分解で得られた部品を使っての自作の作品の説明が行われた。
 得られた部品を使って具体的に作品を目の前にしての説明に、生徒たちは部品の機能の理解を更に深めることが出来たと思われる。
 昨日同様大山先生のまとめの言葉の後講義は無事終了した。
かがく・夢・あそび:春休み1日コース