新技術開発助成

第101回新技術開発-07

非侵襲的マウスECG測定システム

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 ユニークメディカル
代表取締役 小関 義大
所 在 地
東京都狛江市
技 術
所 有 者
株式会社 ユニークメディカル
技 術
開 発 者
株式会社 ユニークメディカル 生産部
部長 斎藤 利章

技術開発内容

 生体の健康状態を評価する上で心電図(ECG:Electrocardiogram)の計測は極めて重要で、新薬の開発に使用する実験用マウスでも多用されている。しかし、従来のマウス心電図測定では、テレメトリ測定で心電図電極を体内に埋め込むか拘束するため、マウスにダメージ・ストレスがかかり、正常状態の心電図取得に不都合が生じる。また、測定に手間がかかる、コストが高いなどの問題点もある。本申請では、これらの問題点を克服する非侵襲・非拘束なマウス心電図測定を行う技術を開発する。
 本申請技術では、ストライプ状の複数の電極が表面に形成されたセンサーボードを床板としてマウスケージにセットしたものを用いる。マウスの4つの足裏のうちの2つが異なる電極に接触すると、身体と2本の電極を含む電気回路が形成され、心臓で発生する起電力が電流を生み出して心電図が現れる。開発製品には、電極間にスリットを入れて糞尿による電極間ショートを防止し、ケージ全体を電磁シールドして環境ノイズを妨げるなどの特徴を持たせる。
 実験用マウスの販売数は年間400万匹と言われており、新薬、治療方法、新規医療装置の開発などに伴う研究・実験に供され、全体の10%のマウスについて心電図取得が望ましいと考えられている。しかし、心電図の取得が容易でなく諦めることも多い。非侵襲で導入費用が安価、さらには、簡便操作が可能な技術が開発できれば、心電図取得の需要が増加すると期待できる。心電図取得が増えることにより、薬物の副作用をより詳細に検討できて安全な薬物の市場提供が可能になるなど、医療技術の向上につながる。また、動物愛護の観点からも歓迎される。

図

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