新技術開発助成

第104回新技術開発-03

金属空気電池用非白金系高性能触媒電極材料の実用化に関する技術開発

技 術 開 発
契 約 者
AZUL Energy 株式会社
代表取締役 伊藤 晃寿
所 在 地
宮城県仙台市
技   術
所 有 者
AZUL Energy 株式会社
技   術
開 発 者
上記開発契約者に同じ

技術開発内容

 本新技術開発は、金属空気電池(図1左)に用いられる非白金系新規電極材料に関わるものである。東北大学藪准教授らの開発による非白金系触媒:鉄アザフタロシアニン(鉄系有機金属錯体、通称「AZUL 触媒」:図1右)は、従来に比べ高い触媒活性を示し(図2)、広範な用途に対応可能な高性能かつ安全なディスポーザブルタイプの新規金属空気電池の実現が期待される。
 非白金系高効率触媒を金属空気電池用電極に利用するにあたり、三つの技術開発を進める。独自の分散プロセスで当該触媒を炭素に修飾させた触媒電極材料(図3)開発。触媒電極材料をフィルム型バッテリーへ展開させるために、カーボンシート上に均一塗布するスプレー技術を確立しシート状の触媒電極を製造するための技術開発。触媒分子については、実用化に必要な収量を得るための合成方法の新規開発を行い、スケールアップ可能なプロセスへと展開を図る。
 本新技術開発を通して、当該非白金系新規電極材料は、非常用電源を始め、医療・ヘルスケア用ウェアラブルデバイス向け高性能フィルム型バッテリーへ展開可能となり、さらに広範な用途が期待される。本新技術により製造される新規金属空気電池は、安全で環境に優しい素材から成り、安全に廃棄が可能となることから、環境配慮型の製品として地球環境保護への貢献が大いに期待される。

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