新技術開発助成

第106回新技術開発-02

甘夏自動剥皮装置の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 マルミツサンヨー
代表取締役 筒井 宣雄
所 在 地
福岡県八女市
技   術
所 有 者
株式会社 マルミツサンヨー・福岡県
技   術
開 発 者
株式会社 マルミツサンヨー
常務取締役 永田成敏

技術開発内容

 甘夏缶詰製造工程のうち「剥皮・実割り工程」は外注で、手作業である。この工程については、 少子高齢化による人手不足に加え、輸送や保管による原料劣化のため歩留りが非常に悪い。そのため、「剥皮・実割り」を高速に行うことができる自動化技術の開発が求められている。
 開発技術は効率的な処理が可能な甘夏の自動剥皮装置であり、現状手作業で46kg/hの処理能力が208kg/hに高速化される。開発される一連の自動工程の中で、「吸引と爪方式による甘夏の自動剥皮」はユニークであり、刃物の回転を利用するピーラー方式やスパイラルシャフト方式といった競合技術に比べて処理速度や果実へのダメージの点で優れている。特に、果実と皮へのダメージが少ないことは重要であり、除去した外果皮の2次利用(オレンジピール、ペーストとしてパンや菓子、ゼリー等への利用)が可能になる。
 現状では果実の保管や輸送による劣化で歩留まりは50%程度と悪い。これが80%程度に改善されると期待される。さらに、外皮の2次利用も促進できるので、果実という貴重な食糧資源のロスを低減し、その有効活用に大きく貢献できる。また、中国を中心に海外での晩柑橘類生産量は1726万トンに及ぶが、その大部分は果汁としてしまっているところ、本技術の導入によって缶詰として果実そのものの利用の促進、したがって、世界的にも食料資源の有効利用に貢献することも期待できる。なお、本技術は甘夏以外に、伊予柑、はっさく、デコポン、ポンカン、きよみ、河内晩柑等に適用可能である。

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