新技術開発助成

第111回新技術開発-03

高級水産物・ミネフジツボ養殖板の試作

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 愛南リベラシオ
代表取締役 井戸 篤史
所 在 地
愛媛県松山市
技   術
所 有 者
鶴見 浩一郎
技   術
開 発 者
株式会社 愛南リベラシオ
技術顧問 鶴見 浩一郎

技術開発内容

 本技術開発では、図1に示す食用の甲殻類の一種であるミネフジツボの世界初の大量養殖を目指した開発を行う。このミネフジツボは青森を代表する高級食材であるが、乱獲により大型の天然物は枯渇した状況であり、安定的に供給できる養殖技術の開発が求められていた。その実現のためフジツボ幼生を基板に固着させて養殖業者に提供する「フジツボ養殖板」の実現を目指す。
 本技術のコアとなる知財は、フジツボが好んで付着する凹凸構造を有する板に他の生物等の付着を抑制する表面材料層を配置する構造体であり、これにより強い付着と所望の場所以外への付着を抑制し、養殖効率と生産性の向上を実現する。従来は幼生段階で大量斃死する問題があったが、独自ルートでの新たな珪藻を飼料として用いることで安定化を実現した。本開発では図2に示すように、初期の幼生からの養殖板への付着を水槽で実施し連携先による実際の海での実証実験までの開発を行う。
 本技術の開発により、10年来の目標であったミネフジツボの大量養殖を実現することで、現在激減している養殖生産者を救い、潜在的な市場規模が27億から55億円規模と言われる経済効果をもたらすことが期待される。さらに青森の特産品としての安定的な食材の提供による飲食業、観光業等への地域振興としての波及効果が高く、社会的価値も高いと考える。

図

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