新技術開発助成

第88回新技術開発-01

分断された工程をシームレス化、連続式真空フライヤー装置の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 アトラステクノサービス
代表取締役   鯛 かおる
所 在 地
兵庫県神戸市
技   術
所 有 者
株式会社 アトラステクノサービス、株式会社ドール
技   術
開 発 者
株式会社 アトラステクノサービス
代表取締役   鯛 かおる

技術開発内容

 従来の野菜チップスに代表される農作物等のフライ(乾燥)加工を行う真空フライヤー装置は、バッチ処理のためにフライ加工毎に稼動を停止させ、真空空間のフライ釜を常圧に戻し、食用油の交換 ⇒ 食用油の加熱 ⇒ 食材の投入 ⇒ 真空状態の創出 ⇒ 食材のフライ加工 ⇒ 加工物の脱油の工程が必要であり、生産能力、操作性、安全性等の向上が求められている。
 本技術は、この分断されたフライ加工工程をシームレス化し、連続した真空フライ加工を実現するもので、(1)加工物の入替え時にフライヤー内の真空を維持する技術、すなわち、真空フライ槽の前後に投入・排出室を設け、遮断ゲートにて真空状態(-0.095MPa=47Torr以下)を維持しつつ加工物を出し入れし、真空状態のままで脱油(遠心分離)、(2)使用する揚げ油(100℃以下)が常に高純度を維持し続ける技術、すなわち、真空フライ槽内の食用油を連続循環濾過(タンクAの油が真空フライ槽で使用される時は、タンクBの油は常圧で濾過され、AおよびBは交互にバルブ切替で使用)の2つの新技術の融合により達成される(図1)。
 本技術の成果を用いた真空フライヤー装置を使用すると、低脂質でそのままでも食べられ、味・風味・食感・栄養素を残した食品に加工できることから、介護食・保存食にもなる。また、多様な食材を簡単な操作で加工できる汎用機であることから、農業などの1次産業者が自ら栽培した作物を加工する6次産業化の促進にも貢献できる。これにより、地域産業の創出、規格外食材廃棄作物の削減、雇用の創出、食育の促進などに繋がり、社会性・公益性は高い。

図