新技術開発助成

第88回新技術開発-02

密閉空間内ガス濃度「非破壊・非接触」測定装置

技 術 開 発
契 約 者
日昭電器株式会社
代表取締役   油布 幸三
所 在 地
東京都大田区
技   術
所 有 者
日昭電器株式会社、ゼネラルパッカー株式会社
技   術
開 発 者
日昭電器株式会社
取締役技術統括部長   佐藤 真昭

技術開発内容

 これまで、食品・医薬品等の密閉包装内部の残存酸素量の測定は、抜き取り検査によるもので、実際に消費者に届けられる製品内部の量は判らなかった。これに対し、本測定装置は、インライン全数非破壊検査を実現しようとするもので、食品等の大幅な信頼性・安全性向上とともにその検査コストの削減を目指すものである。
 本装置の方式は、図1に示すように、残存酸素のレーザー光吸収によるスペクトル変化に基づく計測方法である。図2は、現状の開発評価機の外観である。従来からある材料分析技術を元に、製品の検査工程に用いるため、さまざまな新規なアイデアが盛り込まれている。たとえば、パッケージの姿勢や内部の散乱の差が計測に影響しないようにするため、パッケージの同一点に異なる波長のレーザー光を通過させている。
 本技術開発では、実際の食品パッケージに用いるために必要な測定精度と安定性を確保するため、(1)吸収スペクトル線を追従するためのエレキ系、温度制御系システム、(2)波長掃引積分吸収測定方式、(3)レーザー光を多重にワークを通すためのマルチパスセルの開発を行う。
 本開発装置の実現により、食品・医薬品の信頼性・安全性を飛躍的に向上させることができるとともに、従来の抜き取り検査から生じる無駄な廃棄物を削減でき、環境に配慮した生産ラインが構築できる。また、さらには、酸素以外の現場で取り扱われているガス(たとえば、HCl、HF、NH3など)の非破壊分析の可能性もあり、わが国の計測技術の向上に対する大きな貢献が期待される。

図
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