太陽光発電システムの多くは、発電電力を商用電源に接続するように設計され、それによって常時安定した電力を得ている。ところが災害などで停電が起きた時は、夜間は発電できず、昼間も安定して使えなかった。そのため、太陽光発電システムに蓄電池を組み合わせた「独立電源」が注目されることになったが、最大電力点トラッキング(MPPT)動作で設計されている従来の太陽光発電システムでは、負荷変動への対応を蓄電池の充放電で行うため蓄電池寿命が短くなり、結果として運用コストが商用電力コストより高いという欠点があった。
本技術は、停電時の「独立電源」状態の時に太陽光発電の発電制御を負荷量と蓄電池の充電状態に応じてMPPT動作と負荷追従動作を切り替えることによってリアルタイムに行い、蓄電池を無駄に充放電させずに寿命を3〜5倍伸ばし、運用コストの低減を実現するものである。
今後、電力グリッドのインフラを整備していく中で、太陽光発電が普及してその割合が増加した時、送電網からの遮断が可能な独立電源システムの必要性が高まると考えられる。その普及のためには独立電源システム運用コストの低減は必須で、その最大コストである蓄電池寿命を伸ばす本技術は、社会性、公益性が高い。
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