新技術開発助成

第88回新技術開発-04

微細切削加工と微細放電加工が可能な高精度複合微細加工機の開発

技 術 開 発
契 約 者
加美電子工業株式会社
代表取締役   早坂 裕
所 在 地
宮城県加美郡
技   術
所 有 者
増沢 隆久
技   術
開 発 者
加美電子工業株式会社
室長   早坂 宣晃

技術開発内容

 塗装業界では様々な形状のスプレー用ノズルが開発されているが、塗膜表面仕上がりに対する要求は厳しさを増し微細な噴霧ができる耐久性ノズル(特に超硬材)の開発が求められている。しかし、現状では微細孔を持つノズルの加工(図1)は、両側微細孔の中心位置合せが難しくスプレーの霧化状態にばらつきが発生するなど、加工歩留まりが悪い。また超臨界CO2塗装用耐磨耗性のスプレーノズルは高圧条件下での使用が必須で、そのためにはユーザ自身がより簡易にノズル設計・加工できる加工機の提供が必要となる。
 本技術開発では、従来、独立に使われている微細切削加工と微細放電加工を一つの装置で可能な複合加工装置を開発し、単独加工機だけでは難しい形状のワーク加工を優れた加工寸法精度、加工速度で実現する。本複合機(図2)は上部と下部にCMOSカメラを搭載し、上下から確認することで高精度に中心位置ずれを補正する(両面加工時の位置ずれ2μ以内)。また、スケールフィードバック機構・高性能スライドベアリングの採用により、分解能0.1μ以下でステージおよびドリル・放電電極の移動を可能としている。
 本加工機の開発により加工時間が短縮できるだけでなく、超臨界CO2塗装装置の重要部品である高圧スプレーノズルの安定供給が可能になる。また将来的には微細金型加工などへの応用も期待できる。


図

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