新技術開発助成

第88回新技術開発-10

3台の全周囲カメラによるモバイルマッピングシステム

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 岩根研究所
代表取締役   岩根 和郎
所 在 地
北海道札幌市
技 術
所 有 者
岩根研究所
技 術
開 発 者
株式会社 岩根研究所
副社長   鶴瀬 隆一郎

技術開発内容

  従来地図は、測量によって作成されてきたが時間と手間がかかるため、近年測量業界ではモバイルマッピングシステムの開発が盛んになっている。現在最も多く使用されているレーザ方式は、高価な大型装置で操作が煩雑なため、安価・簡便で精度の高いシステムが望まれている。
 本技術は、車両に設置した360度全周囲カメラで撮影した映像から3次元映像を作成、解析することによって、高精度な地図を作成するモバイルマッピングシステムに関するものである。地図高精度化のためには映像内の3次元空間座標に絶対値を持たせる必要があるが、本技術では、位置関係が既知の3台の全周囲カメラと独自のカメラベクトル(CV)技術(*)(図1)で移動する撮影車両と映像内対象物の位置関係を精確に計測し、それにGPS情報を加えて空間座標の絶対値を得ている。その結果、本開発技術を搭載したマッピングシステム(図2)は、レーザ方式より安価かつ簡便なシステムながら2点間計測精度5p以内で高さ情報を持つ3次元地図作成を可能にする。
 簡便に高精度な地図を作成できる本開発システムは、地図更新を容易にし最新の地図を利用した新たなサービスの展開や、路面性状調査への適用を可能にする。また発展途上国においては地図自体が無い国・地域も多く、本開発システムの寄与が大いに期待できる。
 (*) カメラベクトル技術:全周囲映像のみから自動的にCV値(映像の各フレーム(カメラ)の3次元位置及び姿勢情報)を算出する技術で、映像内の対象物の位置(3次元座標値)を計測可能にする。


図

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