新技術開発助成

第88回新技術開発-13

ポリカーボネート製グレージングの開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 レニアス
代表取締役   前田 導
所 在 地
広島県三原市
技 術
所 有 者
株式会社 レニアス
技 術
開 発 者
株式会社 レニアス
執行役員技術統括部長   野尻 秀智

技術開発内容

 自動車の燃費規制の強化に伴い、全ての構成部品の軽量化が必要になってきており、窓ガラスも例外ではない。この軽量化のニーズに対応するため、耐衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂を用いて、リア部を含む窓ガラスを樹脂化できる技術の開発(=樹脂製グレージングの開発)が望まれている。
 本技術は、複数の機能が集約されている自動車用樹脂製グレージングを実用化するために必要な複数の技術、すなわち、熱成形技術、ハードコート技術、赤外線遮蔽技術、及び結露防止技術からなる。熱成形技術はコア技術であり、樹脂板材を軟化温度まで加熱して加圧変形させ、その後所望の形状にトリミングする方法で、高価な金型使用を最少化している。ハードコート技術は、VUV(真空紫外光)を用いて大気圧下で処理する競合優位な独自技術で、欧州ECE.R43等の厳しい耐摩耗性規格をクリアし、かつCVD法等に比べて設備コスト、メンテナンス性、生産性において格段に有利である。赤外線遮蔽技術は、表層遮蔽を特徴とし、ガラスに比べて室内温度環境を改善できる。結露防止技術は、大気圧下で導電性ナノ粒子のコートにて発熱導電膜を形成することを特徴とし、従来の真空蒸着法に比べ設備コスト、生産性に優れている。これらの技術成果は、学会誌等で公表するとともに、多数の技術誌にも取り上げられ、その注目度は高い。
 本技術は、ガラス製のグレージングを樹脂製に置き換えることができることから、燃費規制強化に寄与できると共に、炭酸ガスの排出低減という地球温暖化防止にも貢献するものである。


図

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