現在、廃コンクリートのほとんどは道路建設時の路盤材として用いられているが、道路建設の縮減により、今後、膨大な量の廃コンクリートが行き場を失ってしまうことが懸念されている。本技術は、廃コンクリートに含まれる粗骨材(砂利)および細骨材(砂)をJIS H規格(バージン材同等)の再生材として分離するための装置の提供を狙いとする。
現在、骨材再生用の装置はいくつか実用化されているが、いずれも骨材に付着するセメント分の除去が不十分で、特に細骨材に対してJIS H規格を満足するものはなかった。本技術では申請企業の有する自生破砕(素材同士を高速で衝突させ破砕を行う)技術を応用し、廃コンクリートの成分であるモルタル成分(細骨材とセメントの混合物)を研磨粒として、下図のように高速回転するブラストローターから放出して回転選別機内の廃コンクリートに繰り返し衝突させ、廃コンクリートからモルタル成分やセメント成分を除去することによりH規格の粗骨材を得る。また繰り返し衝突させられることにより、研磨粒であるモルタル成分からも次第にセメント成分が除去されていき、最終的に純度の高いH規格の細骨材が得られる。
本技術の実用化により、廃コンクリート中に含まれる骨材を高効率で再生することが可能となり、廃コンクリートの処分問題に大きく貢献することが期待される。
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