新技術開発助成

第91回新技術開発-03

白濁排ガス用ダスト濃度計の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 田中電気研究所
代表取締役 田中 敏文
所 在 地
東京都世田谷区
技   術
所 有 者
株式会社 田中電気研究所
独立行政法人 産業技術総合研究所
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 製紙工場ボイラーや火力発電所など硫黄分を多く含む燃料を燃焼させるプラントにおいて、脱硫処理後に排出されるミスト(水滴)とダスト(粒子状物質)が混合した白濁排ガス煙中のダスト濃度の管理は大気汚染防止上、極めて重要であり、現在はフィルターで捕集して秤量するという方法で定期的に測定することが義務付けられている。この方法をより手間がかからず、連続的にモニターできる技術で代替することが強く望まれている。
 本技術開発においては、煙突内の測定器の上流側にヒータを組み込んだ気化器を設置し、排ガスがその中を通過する間に水滴を蒸発させた後、光散乱法による測定器でダスト濃度を計測する装置(図1,2)を開発する。これによりミストが大量に存在するために適用が困難であった光散乱法を当該白濁排ガスに適用することが可能となる。本技術では煙突内でその場測定することで、排ガスの一部を煙突外に取り出して測定する類似商品と異なり、排ガス流速の影響を受けず、正確な計測が可能となることに加え、メンテナンス性も大きく向上し、3ヶ月以上の連続運転が可能と見込まれるなど、多くの利点が期待できる。
 大気汚染防止は人類にとって地球規模の最重要課題の一つであり、精力的な取り組みが続けられてきているが、昨今中国で発生したPM2.5問題は未だ多くの問題が残っていることを再認識させた。本技術開発はまさにそのような懸念に対応し、環境保全に貢献できる重要な技術として期待される。


図

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