新技術開発助成

第91回新技術開発-06

フレキシブル型リバースモードPDLCの開発

技 術 開 発
契 約 者
九州ナノテック光学株式会社
代表取締役 馬場 潤一
所 在 地
大分県速見郡
技   術
所 有 者
上記技術開発契約者に同じ
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 液晶と高分子が混在した高分子ネットワーク/液晶複合薄膜(PDLC)は、電圧の印加により白濁と透明の状態変化を発生するため、建材の調光窓やデザイン性の高い映写スクリーン等に利用されてきた。従来までのPDLCは電圧を印加すると白濁から透明の状態に変化するノーマルモード駆動方式の製品が主であった。非動作時に透明状態となるリバースモード駆動方式のPDLC(R-PDLC)製品が実用化されればさらに幅広い市場の拡大が期待できるものの、各種の技術的問題により実用化が困難な状況にあった。 
 本技術開発では、申請企業の持つ液晶と高分子材料の幅広い知見と、これまで培ってきたノーマルモード駆動方式PDLCの製造技術を融合することでフレキシブル基板上に実用化レベルのR-PDLCを実現するために、R-PDLCにおける(1)大面積のための材料の確立、(2)フレキシブル性を持たせる技術の確立、(3)実用化に耐えうる性能と品質の確保の技術開発を行う。同社は高分子、液晶材料、複合化、配向制御、電気光学効果に知財とノウハウを保有し、これらを統合的に活用できる企業であり、特にリバースモード駆動方式の材料開発では非常に優位性の高い技術を有している。また、幅1000mmを越えるフレキシブルPDLCをロールツーロールで製造する技術を有していることも特筆できる。
 本技術開発が成功すれば、従来の建材だけでなく運輸、家電、通信など新たな市場への拡大が期待でき、コストの低下に伴いその規模も大きく拡大することが期待できる。


図
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