新技術開発助成

第91回新技術開発-07

炭素14を含まない実験動物とその飼料の製造法の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 パレオ・ラボ
代表取締役 藤根  久
所 在 地
埼玉県戸田市
技 術
所 有 者
(株)パレオ・ラボ、小林 紘一
技 術
開 発 者
株式会社 パレオ・ラボ
取締役・顧問  小林 紘一

技術開発内容

 創薬研究の初期段階において、開発目的の薬物の生体内での動態を調べるために、薬物中の炭素を大量の14Cに置き換えて(標識化)実験動物に投与し、放射能を測って薬物の動きを調べる実験を行っている。このような薬物の動態実験を行うには、薬物標識化のための費用が高価であると共に放射性同位元素等取扱施設が必要とされる。
豊富な栄養素を持つミドリムシ、クロレラ等の生育速度の早い光合成微生物に、化成肥料、ミネラルと共に14Cをほとんど含まない(Dead Carbon;以下DCと略称する。)CO2と光を与え、DCの光合成微生物を培養する。この光合成微生物を飼料としてマウスに与え、飼育することにより、DCのマウスを製造する。このマウスに自然放射能レベルの無標識の薬物を投与し、マウスの各臓器での薬物移行量を加速器質量分析計(Accelerator Mass Spectrometer;以下AMSと略称する。)で測定することにより動態実験を可能とする。
上記マウスに開発目的の無標識の薬品をそのままの状態で投与して動態実験をすることができるので、標識化のための高額な費用を削減できるとともに、放射性同位元素等取扱施設以外での実験が可能となる。さらに、薬用資源植物、生薬、漢方薬など標識化の難しい薬物についても、そのままの状態で動態実験をすることができる。


図