新技術開発助成

第92回新技術開発-08

赤外透過ガラスの新規成型加工方法

技 術 開 発
契 約 者
五鈴精工硝子株式会社
代表取締役 垂水 孝至
所 在 地
大阪府大阪市
技 術
所 有 者
上記技術開発契約者に同じ
技 術
開 発 者
五鈴精工硝子株式会社
執行役員 開発部長 山黒 隆夫

技術開発内容

  近年、高まる防犯意識から民生用の赤外線カメラ・センサー市場が拡大している。また、このようなセキュリティ分野だけでなく、車載、家電、生産工程(不良品の検知)、インフラ(構造物診断)など赤外線を利用した技術は多岐にわたっている。本技術開発では、これらの監視カメラやナイトビジョンなどに使用される赤外線透過材料を安価に供給するプロセスの実用化を目的とする。
 赤外線透過材料であるカルコゲナイドガラスを用いたレンズの製品化においては切削・研磨加工がおこなわれているが、もろいガラスであるため加工時にガラスが欠けて不良となり材料ロスが非常に大きいという課題がある。この課題を解決するために本技術開発ではガラスの成型に独自に開発した滴下法、吐出法を応用し、赤外線透過ガラス・レンズの低コスト化をはかる。滴下法、吐出法はガラス母材を再溶融し、落下中あるいは噴出ガス中での表面張力によりガラスを球形に成型する方法である。本技術開発では赤外透過カルコゲナイドガラスの成型に適した滴下法、吐出法を確立する。
 本技術開発により、ガラス母材の材料ロスが大きく低減し、赤外線透過ガラス・レンズの低価格化を実現できる。現在、赤外線透過材料として広く使用されている結晶材料は高価であるが、この技術の確立により、高品質で低価格の赤外線透過ガラス・レンズを安定に供給することができるようになり、赤外線応用市場の拡大につながることが期待される。

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