新技術開発助成

第93回新技術開発-06

アルミ切粉乾燥技術の開発

技 術 開 発
契 約 者
環境エネルギー株式会社
代表取締役 野田 修嗣
所 在 地
東京都江東区
技   術
所 有 者
環境エネルギー株式会社
株式会社 野田修護商店
板野 正義
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 アルミの切削加工を行う工場では発生する大量の切粉を溶融再生しているが、切削油の付着した切粉をそのまま溶融炉に投入すると発煙・発火や、爆発による人身事故につながる。このため、事前に高温の乾燥炉を用いた切削油の乾燥(燃焼)処理が行われているが、従来法では炭化した油分や切粉の微粉成分が残留するため、完全には事故を防止しきれていなかった。また、乾燥処理中にアルミの酸化が進行し、再生歩留りが低下するという問題もあった。
 本技術では、約400℃の窒素ガス雰囲気中で廃FCC触媒*とアルミ切粉を混合攪拌して油分を炭化水素ガスに分解して気化させるとともに、切粉の表面に付着した微粉成分を触媒が掻き落す。その後メッシュを用いて切粉と触媒を分離することで、アルミ切粉は溶融炉に投入可能な清浄な状態になる。一方、触媒は繰り返し使用され、一定期間毎に交換される。
 本技術の実用化により、アルミ切粉再生工程での安全性が大幅に向上する。また、従来法より低温・短時間での処理が可能であるとともに、アルミの酸化による再生歩留り低下が生じないため、省エネ、省資源、低コスト化に大きく寄与する。

*FCC触媒
石油精製において、分子量の大きな重油をガソリンなどの低分子量の成分に分解する「流動接触分解」と呼ばれる反応に用いられる触媒で、ゼオライトなどの物質から構成される数十μの球状粒子。本用途では、要求性能が厳しくないため、製油所で廃棄された廃FCC触媒が使用可能
図


図