新技術開発助成

第96回新技術開発-01

圧電素子型隔膜真空計の開発

技 術 開 発
契 約 者
バキュームプロダクツ株式会社
代表取締役 北條 久男
所 在 地
東京都小平市
技   術
所 有 者
バキュームプロダクツ株式会社
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 研究用真空装置や半導体・液晶等の製造用真空装置内の圧力計測に用いられる真空計の技術開発をおこなう。従来の静電容量型隔膜真空計の短所である測定範囲の狭さを改善し、気体種によらず高精度・高分解能で小型、低価格の真空計の実用化を目的とする。
 従来の静電容量型隔膜真空計では、基準となる真空計内の高真空側圧力と装置側圧力との圧力差によって生じるダイアフラムの変位量を静電容量変化として計測しているため、ひとつの素子で測定できる圧力範囲が狭かった。本提案の圧電素子型隔膜真空計ではダイアフラムの変位をダイアフラムに固定した圧電素子にかかる応力変化として計測する(図1)。圧電素子として双音叉型水晶振動子を用いると、水晶振動子にかかる応力とその共振周波数の間には相関があるため、共振周波数の変化を測定することで装置側の圧力を測定することができる。双音叉型水晶振動子の共振周波数は静電容量に比べ高感度・高分解能で測定できるため、ひとつの素子で測定できる圧力範囲を広くできる。
 試作品(図2)の結果から基準の圧力となる圧電素 子部を10-5Pa以下にすることによって、大気圧から10-1Paの範囲の圧力計測を高精度でおこなうことができるようになると期待される。また、共振周波数を高分解能で測定できることからダイアフラムを従来よりも小径にすることができ、真空計をより小型、低価格にすることができる。

図
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