新技術開発助成

第96回新技術開発-05

大量核酸製造用分離装置の開発

技 術 開 発
契 約 者
北海道システム・サイエンス株式会社
代表取締役 水谷 幸雄
所 在 地
北海道札幌市
技   術
所 有 者
北海道システム・サイエンス株式会社
技   術
開 発 者
北海道システム・サイエンス株式会社
部長 杉野 裕一

技術開発内容

 低分子医薬品、抗体医薬品に続く、今後期待される第三の医薬品といわれる核酸医薬品の量産化を図る装置の開発である。これまで核酸医薬は、固相システムによって、一定量ずつ製造されていた。そのため量産化を行うには、要求される製造量に応じたプロセス構築が都度必要となり、高リスク、高コストとなっていた。これに対し、当該企業は原料を連続して反応器へ供給する液相システムを開発し、柔軟に製造量を変化させて上述の高リスク・高コスト化への対応を試みた。
 この液相核酸合成システムのフロー核酸合成装置は既に開発済であり、本開発では合成された核酸を自動的に分離・精製する装置の開発を行う。そのため、合成核酸を分離・精製するために高分散性液相支持体を開発して、この支持体に結合した合成核酸と貧溶媒を混合して晶析槽に投入する。成長したスラリーを1カ所にケークが生じないようにして分離効率の低下を抑制する。ここで、分離・精製された合成核酸を目的の核酸となるまで前記フロー核酸合成装置、今回開発の分離・精製装置のプロセスを繰り返すことにより目的の合成核酸を得る。
 多くの研究者が遺伝子治療に取り組んでおり、そこで用いられる核酸医薬品開発のための医薬品研究開発用試薬、難治疾患治療薬としての核酸医薬の需要が増えるものと予想される。そのために合成核酸の大量製造によるコストダウンは、医薬の進歩に貢献するものと期待される。

図

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