新技術開発助成

第96回新技術開発-12

真空除電法を応用した複合フィルム向け除電システムの開発

技 術 開 発
契 約 者
春日電機株式会社
代表取締役 西川 正幹
所 在 地
神奈川県川崎市
技 術
所 有 者
春日電機株式会社
技 術
開 発 者
春日電機株式会社
取締役開発部長 野村 信雄

技術開発内容

 デジタル印刷は、必要なものを、必要な時に、必要な部数だけ印刷することが可能なオンデマンド印刷であるため、大変需要が高まっている。最近では、蒸着シートやラベルシートなど、様々な特殊用紙に印刷するニーズも増加している(図1)。しかし、蒸着フィルムやラベルシートなどは印刷時に大量の静電気がたまるため、これまでに効果的な除電技術が開発されていない。そのため、印刷物に触れた作業員が感電したり、長い自然放電時間が必要になるなど問題が多く、有効な除電対策が求められている。
 本技術は、印刷後に帯電した蒸着シートやラベルシートを効率よく除電するための新技術開発である。これまでに開発された一般的な手法では、蒸着シートやラベルシートなどの除電はできない。そこで、真空中でのプラズマ放電を応用した除電装置を開発し、その装置中に帯電した蒸着シートやラベルシートを連続導入することによって静電気を除去する仕組みを考案した(図2)。本装置を用いることにより、短時間に効率よく除電できるため、印刷機の排出紙をその場で取り込み除電する事が可能となり、印刷作業効率が格段に向上すると考えられる。
 本新技術が完成すると、デジタル印刷機と連動させることによって、蒸着シートやラベルシートなどの帯電しやすい用紙の印刷においてもその場で除電処理が完了し、作業員の安全確保のみならず、放電のための待機時間などがなくなり、生産効率が格段に向上すると考えられる。蒸着シートやラベルシートなどの特殊用紙への印刷需要は増加傾向にあり、将来的にも重要な除電技術に発展するものと考えられる。

図

図