新技術開発助成

第96回新技術開発-14

有機水耕栽培技術の開発

技 術 開 発
契 約 者
合同会社 コンフォート
代表取締役 佐藤 美子
所 在 地
北海道函館市
技 術
所 有 者
門上 洋一、 合同会社 コンフォート
技 術
開 発 者
合同会社 コンフォート
業務執行社員(開発担当) 門上 洋一

技術開発内容

 我が国の懸念の一つに、農業従事者の高齢化と後継ぎ不足がある。その意味で農業の法人化が期待されるが、その中心は農業工場(すなわち水耕栽培)となる。ところが、現在の水耕栽培は無機肥料に依存しているため、幾つかの問題がある。たとえば、栄養の偏り、栽培品種の制限、カビ・害虫・病原菌の繁茂、硝酸体窒素の過剰発生などである。これらを解決する方法の一つとして肥料の有機化が考えられる。
 本件では、微生物の活用に着目して肥料の有機化を目指す。具体的には、枯草菌と硝化菌であり、両者を併用することで有機物のタンパク質を硝酸態窒素(植物が摂取可)へと分解することが可能となる。但し、両者を単に混ぜるだけでは泡が発生して雑菌が混入するという別な問題が生じる。その解決のため、本技術ではビーズ化(網目状の素材で包埋)とカプセル化(ゼラチンで覆う)を行なう。ビーズ化は保存性(菌が外に漏れない)と徐放性(一定効果が持続)をもたらし、カプセル化(乾式化)は管理の容易性をもたらす。既にビーズ化の有効性までは確認済みであり、本助成ではカプセル化の試作までを実施する。硝化菌の大量入手が難しいという問題があったが、別件にて硝化菌の大量培養にメドをつけたことも独自の強みである。
 本開発が成功すれば、有機水耕栽培の先鞭として農業工場への導入が見込まれる。既に海外工場からも引き合いがあり、将来的には世界の食料不足を解決する一助と期待される。

図

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