新技術開発助成

第98回新技術開発-01

オンデマンド型塗装技術

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 エルエーシー
代表取締役 村井 秀世
所 在 地
東京都町田市
技   術
所 有 者
株式会社 エルエーシー
技   術
開 発 者
上記技術開発契約者の同じ

技術開発内容

  インクジェット・プリントに代表されるオンデマンド型の吐出技術は進展が著しく、その描画自由度の高さから多くの応用が期待されている。特に塗装への応用はその筆頭であるが、塗装に用いられる塗料はインクに比べて粘度が高いため、通常のインクジェット・ヘッドで吐出させることは困難であった。申請者はバルブ型に分類される独自の吐出技術を有し、これを応用することで塗料を遠くに(10cm)吐出することに成功した。しかしながら、現状の単体ノズルではm2当たりの印刷時間に2時間45分を要しており、その解決が実用化の課題となる。
 そこで本件では、ノズルのマルチ化とその制御を中心とした開発を行い、高速化に一定のメドをつけることを目指す。ノズルレイアウトが一つのキーとなるが、6通りの案を試作し、品質や速度の面から最適なものを選択する。この他にも曲面を塗装するための技術を複数保有し、それらを取り込んだシステムを構築することにより、マスキングが不要な吐着効率100%のオンデマンド型塗装システムを実現し、自動車外装市場への参入を目指す。
 本開発により、塗装時の消費塗料の無駄を抑制できるだけでなく、従来のスプレー式塗装で必要とされた浮遊塗料の回収・廃棄施設および同・工数を大幅に抑制できるため、産業界には大きな経済的効果がもたらされる。また、塗料の無駄の抑制により、大気中や河川への散逸の防止が図られ、塗料生産に必要な資源とエネルギーの削減にもつながり、合わせて地球環境の改善に寄与するものと期待される。

図
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