復興支援新技術開発助成

復興支援新技術開発-03

超精密横編機に対応する新規シルクニット糸開発と製造技術の確立

技 術 開 発
契 約 者
菅野繊維株式会社
代表取締役   菅野 京一
所 在 地
福島県二本松市
技   術
所 有 者
福島県
技   術
開 発 者
菅野繊維株式会社
営業部長   大内 善男

【技術開発内容】

 従来のシルクニット製品は、スーパーファインゲージ(14G-18G:ゲージとは横編機の1インチ当たりの針本数を示す)付近が限界であり、これ以上繊度が細くなると、シルク本来の素材感が消失することが分かっている。そこで、細繊度で伸縮性、嵩高性を兼備し、意匠性にも優れたウルトラファインゲージ(21G)用のシルクニット糸の開発により、ニットのストレッチ性を保持しながら、薄く、軽く、しなやかな最高級のシルクニット製品の実用化が可能となり、カジュアルからフォーマルまで多彩なシルク製品展開が可能となる。
 本技術開発は、(1)ウルトラファインゲージ対応新規シルクニット糸の開発、(2)ウルトラファインゲージ編成条件の確立、(3)製品化と高付加価値化、の3つの技術開発からなる。(1)では、従来製法とは異なる新技術を活用した意匠糸を開発し、ウルトラファインゲージに対応した嵩高性、伸縮性、光沢性を持つシルクニット糸を開発する。(2)においては、編成に必要となる条件を確立し、最高級シルクニットの製造方法を確立する。(3)においては、編成組織やデジタルプリント技術を組み合わせることにより、ファッション性の高いシルクニット製品を試作する。
 近年の我が国の繊維産業の製造品出荷率は、減少の一途であり、国内総生産・従業者とも低下傾向に歯止めがかからない。合成繊維製造業、紡績業等の川上分野においては、海外による汎用素材の生産が拡大してきており、また最終製品であるアパレル産業についても海外からの輸入が大半を占める現状である。そのような現状を鑑み、本技術開発により、世界に例のないシルクニット製品を、福島ブランドとして全世界に発信し、我が国の繊維・アパレル業全体の活性化に寄与していくことが期待される。

図