市村アイデア賞

科学技術館 館長賞

シルバーに優しい構内案内図

受賞者 吉岡 秀祥
学校・クラブ 東京都 駒込中学校 1年

図

【このアイデアを思いついたヒント】

以前、祖父たちと銀座の地下街を歩いた時に、一部の通路には階段しかなく、足の悪い祖母は苦労して登っていた。地下街の案内地図にはエスカレーターの位置なども詳しく載っているが、詳しすぎて、どこを通れば最後まで階段を使わずに行けるのか、よくわからなかったので、ひと目でルートが分かるシンプルな案内図があればいいのにと思った。
一方、今年の冬に東京メトロの地下謎というイベントに参加すると、偏光板を使うと見えなかったヒントが現れる謎解きがあった。そこでこの偏光板を使えば、簡単に不要な情報を消した案内図が見られるのではないかと考えた。

【上の図の説明】

構内案内図ではイベント時のように、加工された画像をスクリーンに表示することが難しい場合が多いので、構内案内図全体をガラス版で覆った上で、消したい情報(階段)部分のみを偏光ガラス(縦方向)にする。
構内案内図の近くに、自由に使える横方向の偏光板を備え付けておく。
階段などを利用せずに入れるルートを見たい人は、この偏光板を通して構内案内図をみる。すると階段など消したい部分は偏光ガラスで縦方向の波しか見えないので、横方向の偏光板を通すと、この部分だけが見えなくなって、階段などが表示されないスッキリとした構内案内図が見える。

【審査委員評】

近年は、コンピュータ、ネットワークやAIなど目覚ましい進化で大変便利な世の中になった反面、多くの情報の中から欲しい情報だけをどのようにして見出していくかという問題に直面することになりました。特に高齢者やハンディキャップのある人々が、直面する非常に大きな社会的問題です。発明の素晴らしいところは、偏光板をうまく使うことで、欲しい情報だけが見えてくるところです。そして、その結果、人に優しい案内図が実現できることです。このような発明は、今後ますます重要になると思います。偏光板と同じ機能を液晶が持っていることを知っていますか?液晶は、部分的に偏光状態を変えることができます。これを利用して、より多くの人に優しいものになるように今回の発明を発展させることを考えてみてはどうでしょうか。