市村アイデア賞

朝日小学生新聞賞

「見分けにくい」をなくす色覚バリアフリーツール

受賞者 板倉 由征
学校・クラブ 愛知県 豊田少年少女発明クラブ 小学6年

図

【このアイデアを思いついたヒント】

ぼくのお父さんは、色覚特性(色弱)があって、色の見え方がちがいます。お父さんは、パソコンの仕事をする時に、LEDライトの赤系と緑系が見分けられず困ります。焼肉をするときには、焼けたかどうか色の変化が分かりません。見え方がのっている図かんを見た時はおどろいたけれど、同じような人が大勢いることも知りました。そしてそのほとんどが、光の三原色のうちの赤と緑を感知する細ぼうが少ないことが理由だと分かりました。
それなら、赤や緑をおぎなうことでお父さんを助けられるかもしれないと思ったのがきっかけです。

【上の図の説明】

スティック型(LEDライト用)
  色弱の人は、LEDライトの赤と緑を見分けることが難しいです。
でも、このスティックをかざせば、赤シートは赤色の光だけ、緑シートは緑色の光だけを通すので、正しく色を見分けられます。工夫したのは、見分ける色をまちがえないように、「あか」「みどり」と書いたことと、ポケットに入るサイズにしたことです。これで機械のエラーが起きても正しく確かめられます。
ルーペ型(広はん囲用)
  広はん囲用に作りました。①の塩化ビニールだと暗すぎる視界になったので、セロファンに変えて、明るさを保ちました。このルーペをかざせば、赤以外の色は暗く見えるため、色弱の人の苦手な赤が目立つ見え方になります。生肉の赤や、たくさんあるLEDライトの判別、他にはちゅう車場の空きを知らせる赤緑ランプなど、色々な場面で活やくします。

【審査委員評】

色の見え方が違う人がいること、また、見え方がどのように違って、どんなことが困るのかをよく調べましたね。どうしてそういう違いがあるのかも、詳しく調べました。配色を色の見え方が違う人でも見分けられるものに工夫しよう、というのはよく見かけるアイデアですが、そのままの色で、見え方が違う人が日常で困ることを簡単に解決できるツールを工夫してできた、というのは、より素晴らしいと思います。パソコンの緑ランプと赤ランプ、焼き肉の焼け具合、これからはお父さんも簡単に区別できて、大変助かり、大喜びですね!