受賞団体訪問
地域が一体となって育む「学び合い」の成果 |
第52回(2021年度)努力団体賞 個人賞入賞4作品 総社市立 総社西中学校 |
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個人賞を受賞した4名の生徒と岡部行宏副校長(後列左)と山田真司指導教諭(後列右)
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幼稚園保育園からの地域一貫教育 |
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第52回市村アイデア賞において総社市立総社西中学校(以下、総社西中)は、初応募で努力団体賞と審査委員長特別賞を含む4人の個人受賞者を出すという快挙を達成しました。 総社市は岡山市倉敷市に隣接し、多くの工業団地を抱え子育て支援や文化・教育にも力を入れている地域です。そのため、総社市は岡山県内一人口が増加している町として知られ、総社西中も800名を越える生徒を抱える大規模校です。 「本校は主に四つの小学校から800名以上の生徒が集まります。地域として子どもたちを様々な分野でサポートしており、中学校の学区ごとに幼稚園、小学校、中学校が連携した指導・活動を行う『一貫WEST』という活動を10年続けています。こういう環境のなかで育まれたピア・サポートの力や『学び合い』の力が本校の生徒にはあります。それが今回の受賞にも繋がっているのではないかとうれしく思っています」と岡部副校長は語ってくれました。
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身近な人たちと幸せを追求する姿勢 |
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市村アイデア賞応募のきっかけを作ったのは、岡山大学教育学部附属中学(以下、附属中)から昨年赴任された山田指導教諭です。「市村アイデア賞には附属中でずっと参加してきました。こちらでも夏休みの宿題として始めました。続けていくなかで賞を取るチャンスがあればという気持ちでしたので、団体賞もそうですが、審査委員長特別賞という附属中でもなかなか取れなかった賞を受賞できたので、本当にびっくりしました」と山田指導教諭。 経験豊かな山田指導教諭のこと、生徒たちのアイデアにアドバイスなどをしていたのかと聞くと、対象の1、2年生だけで500名を越える生徒数のため、応募用紙を回収して送ることで精一杯だったそうです。 とはいえ、受賞者からは家庭内でアイデアの相談をしていた話がいくつも聞けました。コロナ禍の中、家庭で過ごす時間が増えたこともありますが、日常生活の問題点を身近な人たちと意見交換をしながら解決していくという、まさにピア・サポートの精神と「学び合い」の姿勢がそこに見て取れるように思います。 岡部副校長は最後に「中学校の3年間というのはとても濃い時間です。そのなかで生徒も教員も日々起こることに真摯に向き合い、困難な時代であってもみんなが幸せになるための方法を追求していかなくてはいけないと思います。市村アイデア賞へ挑戦する意義もそこにあると思います」と語ってくれました。
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(取材日 2022年1月19日 岡山県総社市)