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1.開発の背景
燃料ガスの物性(熱量、比重、圧縮係数など)を測定する際、従来はガスクロマトグラフによる組成分析結果から計算で求める方法が一般的であった。しかし近年、キャリアガスとして広く使われてきたヘリウムの供給ひっ迫により、ガスクロマトグラフに依存しない新たな高精度測定が求められていた。さらに、脱炭素社会を目指したエネルギー転換が進む中でバイオガス、合成メタン、アンモニア等の多様な燃料ガスが実用化され、これらの混合利用が進む現場では、組成の急変にリアルタイムで追従できる新しいガス物性測定技術が必要とされていた。
2.開発技術の概要
媒質中を伝わる光の速さ(∝1/屈折率)は、「分子の大きさ(分極率)」に、音の速さは「分子の重さ(分子量)」に依存して決まる性質を持っている。本技術は、燃料ガス中を伝わる「光」と「音」の速さを同時に測定し、分子の「大きさ」と「重さ」という、互いに独立した二つの基本物性を同時に測定することで、燃料ガスの熱量、比重、圧縮係数などを高精度かつリアルタイムで推定する世界初の測定法を実現した。
3.開発技術の特徴と効果
本技術により、燃料ガスの物性を高精度かつ高速応答で連続測定できるようになった。これにより「都市ガスの熱量調整」「ガスタービン火力発電の空燃比制御」「多様な燃料ガスの混焼対応」などの高度な運用が可能となり、燃料ガスの高効率利用と安定運用の実現に大きく貢献した。
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