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1.開発の背景
鉄鋼業は産業部門における最大のCO2排出源であり、その約7割が製銑高炉工程に起因する。神戸製鋼所は世界的にも高い評価を受けているMIDREX社をグループ会社に持つ強みを活かし、還元鉄HBI(Hot Briquetted Iron)の安定供給と高炉への多量装入技術(CO2の大幅削減技術)の開発に取り組んできた。HBIは従来型の酸化鉄原料(鉄鉱石ペレット)と異なり高炉内で還元反応が不要であるため、石炭由来の還元材であるコークスおよび微粉炭の使用量を大幅に削減でき、高炉CO2排出量を効果的に低減することが可能となる。
2.開発技術の概要
還元鉄HBIを高炉へ多量装入した際に生じる炉内ガス流れや炉熱の不安定化という課題に対し、①HBI・鉄鉱石ペレットの製造技術、②装入物分布制御による原料配置の最適化、③AIによる炉熱予測・制御技術、ならびに④衝風制御による炉下部ガス流れの適正化技術、を開発適用した(図1)。本技術の適用により、従来他社実績と比較して同一HBI装入量での還元材使用量(CO2排出量)をより効率的に削減した(図2)。
3.開発技術の特徴と効果
HBI多配合による高炉CO2削減技術の特徴は、既存高炉設備を活用して即時実機適用可能な点である。本開発技術を適用することで、従来他社実績の約2倍のHBI装入量で約3倍のCO2削減効果が得られ、大型高炉(4844 m3)において世界最高水準となるCO2排出量を約25%削減可能なことを実証した(図2)。本開発技術は、確実かつ安定的にCO2を削減できるソリューションを国内外の高炉へ提供するものである。
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