新技術開発助成

第100回新技術開発-01

折紙工法可変断面ハニカムコアパネルの実用化技術開発

技 術 開 発
契 約 者
城山工業株式会社
代表取締役 山普@利宏
所 在 地
神奈川県相模原市
技   術
所 有 者
国立大学法人 東京大学
技   術
開 発 者
城山工業株式会社 技術開発室
室長 五島 庸

技術開発内容

 ハニカムコアパネルは構造物の軽量化に効果的であるが、従来の方法では原理的に一様断面平板しか製作できず、広く使われている一方で形状に強い制限があった。本技術開発は製造方法を根本的に変革することによって、可変断面や曲面(図1)など多彩なハニカムコアとそのパネルの製造を実現し、多様なニーズにオンデマンドで応えることを可能とする。
 折り紙の理論を応用し、スリットを入れた金属シートを折り曲げてハニカムコアを製作するという独創的な技術である(図2)。列毎に折り曲げ位置を変えることで、翼型断面等の可変断面、曲面、斜めコアといった、従来では高額な2次加工を要したもの、あるいは、成形不可能であった形状のハニカムコアの製造が可能となる。コア形状が綺麗に作れ、コアを斜めにすることも出来るため、意匠性(見映え)や、透光性や遮光性といった機能性を高めることができる。さらに、位置決めやプロセス管理が難しい接着を使わないので高い形状精度と低コスト化(従来の半額程度)も期待できる。フレキシブルでオンデマンドのハニカムコアとパネル製作事業に向けて、高速道路の遮音壁や風力発電ブレードへの適用開発が具体的に進んでいる。なお、従来技術で接着していた箇所は機械的なカシメによるものとなるが、強度的には接着と遜色なく問題ないことが試験により確認されている。
 本技術の実用化によって、これまでハニカムコアが使えなかった構造部位への適用が可能となるので、航空機翼や風力発電ブレード等さまざまな構造の一層の軽量化を進めることが可能になる。結果として燃料消費量の削減、発電効率の向上等として環境問題の課題解決にも寄与する。

図
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