新技術開発助成

第102回新技術開発-07

可搬型X線断層撮影装置の開発

技 術 開 発
契 約 者
つくばテクノロジー株式会社
代表取締役 王 波
所 在 地
茨城県つくば市
技 術
所 有 者
つくばテクノロジー株式会社
技 術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 非破壊検査装置は世界的に需要が高まっており、市場の要求の高度化とともに成長速度も速い。本課題は、(1)冷陰極X線管(図1)、(2)高電圧発生回路、順次照射制御回路、(3)モールド技術、(4)漏えい放射線量低減の筐体設計技術、(5)4管制御による断層画像構成プログラムなどの独自技術を駆使することで、現場で断層撮影を可能とする可搬型X線断層撮影装置の開発に関わるものである。
 まず、(1)X線源はカーボンナノ構造体(図2)を用いた冷陰極式X線管とし、低消費電力で瞬時にX線を発生でき、可搬性(図3)を実現するバッテリ駆動を可能とする。次に、(2)高電圧発生ならびに順次照射制御回路は、CW(コッククロフト・ウォルトン)をベースとした回路による昇圧とパルス発生回路により構成し、被測定物に対して適切に配列させた4管を順次切り替えて撮影を行って、低被ばく線量による撮影を可能とする。(3)X線管ならびに高電圧発生回路は適切にモールドし、(4)漏えい放射線量を低減し軽量化に優れた筐体を独自に設計してパッケージ化する。最後に、(5)4管切り替えて撮影した画像をトモシンセシス技法により被測定物の厚さ方向の透視スライス画像として再構成する(図4)。
 本技術開発により実現される可搬型X線断層撮影装置は、バッテリ駆動でいつでもどこでもその場撮影・解析ができ、しかも短時間で内部情報を取得でき、その適用分野は、プラント保全などの工業検査を始め、品質検査からセキュリティ、食品分野に至るまで広範囲に期待される。

図

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