新技術開発助成

第115回新技術開発-05

高速充填型水素吸蔵合金タンクおよび自動活性化・運転制御システム開発

技 術 開 発
契 約 者
境川工業株式会社
代表取締役 眞田 博之
所 在 地
大阪府堺市
技   術
所 有 者
境川工業株式会社
技   術
開 発 者
境川工業株式会社
技術顧問 宮内 修平

技術開発内容

 太陽光発電や風力発電など、自然エネルギーにより生成した水素を安全かつ迅速に貯蔵することができれば、需給バランスの平準化が可能となる。本技術開発はカードル積載車両から水素吸蔵合金が充填されたタンクへ高速で水素吸蔵を可能とする大型タンクの開発、水素吸蔵合金の水素吸蔵と放出工程の自動運転制御システムの開発を目指すものである。
 本技術開発では、安全性の高いTiFe系水素吸蔵合金を採用する。全体のフローとしては、水素吸蔵合金をタンクに充填後、合金が水素吸蔵性能を発揮できるように吸蔵/放出自動運転制御を行う(図1)。タンクの内部構造は、合金の水素吸蔵/放出運転に合わせた温度条件に速やかに制御できる優れた熱交換性能を持つ熱交換エレメントと水素拡散板をモジュール化し(図2)、タンクの大型化設計に合わせた最適レイアウトを行う。なお、これまで手動で行われていた作業を自動制御し無人化するとともに時間短縮を可能とするシステム化を行う。
 本技術開発により実現される大型タンクとその自動運転システムは、市街地を中心とした水素の運用・普及において高まるニーズに対応した装置であると期待される。特にボンベ圧力が低く、可燃物でないことから、高圧ガス保安法や消防法に係らない安全性の高い製品技術と考えられる。メガソーラーによりCO2フリー水素を製造後、当該新技術によりエリア街区内への水素輸送・貯蔵の迅速化を実現。地球温暖化防止、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することが期待できる。

図 図