新技術開発助成

第115回新技術開発-06

サーモン自動骨抜き装置

技 術 開 発
契 約 者
土佐電子工業株式会社
代表取締役 増田 泰伸
所 在 地
高知県四万十市
技   術
所 有 者
土佐電子工業株式会社
技   術
開 発 者
土佐電子工業株式会社
取締役事業部長 岡村 斉

技術開発内容

 世界的に生食用サーモンの需要が拡大する中、食品衛生の観点から、生食には主として養殖サーモンが用いられている。我が国においても、国内における養殖サーモンの生産量は近年着実に増加しており、過去数年で約14%の伸びを示している。こうした需要の高まりに対応するためには、高品質かつ高効率な自動加工装置の開発が喫緊の課題となっている。
 本提案課題では、生食用サーモンの加工工程のうち、最も難易度が高いとされるピンボーンの骨抜き工程に着目し、これを自動化する装置を世界に先駆けて開発することを目的とする(図1)。具体的には、紫外線照射時におけるサーモン身およびピンボーンの自家蛍光特性の差異を高精度に検出することで、両者を正確に識別する新技術を確立する。また、ピンボーンの三次元位置を高精度に推定するための機械学習アルゴリズムを構築し、1,000枚以上のフィレを対象とした学習データの収集と解析により、その最適化を図る。さらに、最適化されたアルゴリズムに基づき、これまでに開発した両腕ロボットを用いたピンボーンの自動骨抜きの実証実験を行い、90%以上の成功率の達成を目指す。
 本課題が達成された暁には、これまで加工工程の律速要因であったピンボーンの骨抜き作業が自動化され、生食用サーモンの加工効率が飛躍的に向上することが期待される。加えて、本技術は他種の魚類への応用可能性も高く、食産業全体への波及効果も見込まれることから、その社会的意義は極めて大きいと言える。

図