作業現場における熱中症の予防には、単に作業環境の温湿度でリスクを管理するだけでなく、従業員個人の身体状態をモニタリングし、給水や休息を個別に管理する必要がある。このモニタリングには、心拍や体温計測より、発汗量と塩分喪失量の計測が重要である。開発するシステムは、発汗量と塩分喪失量を計測するセンサと処理回路、さらに得られたデータから個人ごとに熱中症を管理し、適切な休息や給水を促すWEBアプリケーションからなる。
発汗量計測は、以前に本財団の助成を受けて開発したもので、すでに20社の納入実績を持つ。今回の助成では製品化後の要望に対応して発汗量計測部の小型軽量化を進める。発汗量はヘルメット後部に取り付けたファンで頭部発汗に伴う水蒸気を吸引しその温湿度からセンシングするもので、この後部取り付けユニットのサイズを1/2まで小型化する(図1)。さらに、混抄紙を使った独自の構造(特許、図2)で電極間に汗を蓄え、その塩分濃度をセンシングする塩分濃度計測器を新たに開発する。実用化試作では現状より小型化し500円玉大のサイズとする。これを利用者の額部分に当たるヘルメット内に取り付ける。
汗に含まれる塩分量は個人差があり、発汗量だけでは熱中症リスクを正確に予測できなかったが、今回の塩分濃度計測器を組み合わせることで塩分喪失量を正確に計測できるようになる。第一世代機の納入先20社は、いずれも家族的経営の中小企業で、人手不足と高齢化により、従業員個別の体調管理の意識が高い。新たに開発するシステムも同様の意識を持つ中小企業向けに販売展開し、WEBアプリケーションによる個別従業員サポートを組み合わせて提供する。
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