一般に農業は気象条件の影響を強く受け、特に寒冷・高温地域や短日照地域、中山間地では、収穫高や品質の周年変動幅が大きく、収量ひいては収益低下の原因となっている。従来、対策としては「強い光(高輝度LED等)」と「高濃度のCO2強制添加」が必須と考えられてきており、設備投資と電力消費、環境負荷が大きな課題となっている。
本技術開発者は、満月や星明かりと同等レベル(照度<0.01PPFD)の極微弱光を特定の波長・パルス周期で植物に照射すると、植物の生育(細胞分裂)や代謝を制御し得ることを発見し、10年に渡る実証活動を経て、「極微弱光照射システム」開発の提案に至った。
本技術開発は、ビニールハウスまたはマイクロハーブ栽培などの生産施設に後付けで導入可能であり、遠隔制御によって最適な光を照射し、1haあたりの消費電力がわずか数W〜10Wでありながら、強い光の照明やCO2強制添加の設備なしで収量増(120%超等)や特定成分の増加を達成できる。また、水産業においては、海藻の増産(ワカメで茎長約2倍・重量10倍以上等)や、青のり養殖における阻害要因(珪藻)の繁殖抑制を全自動で実現できる。これにより、生産施設のカーボンシンク(CO2吸収源)化による脱炭素化、さらには気候や地域に依存しない周年変動抑制による安定出荷・品質安定を実現できる。
|