自動車などの大型工業製品では、軽量化や環境負荷低減に向けて部材の樹脂化が進む一方、寸法安定性、機能材の内蔵、リサイクル性の確保といった課題がある。日本発の低温接合成形技術を高度化し、省エネ・低コストな大型樹脂部材の成形技術を実現することで、産業構造の変革を目指す。
本開発では、ポリエステル不織布にオレフィン系ホットメルト樹脂(ATD-HM)を塗布したECOLUXプリプレグ(第112回助成の成果、約80℃での低温接合が可能)の応用展開として、EPP(発泡ポリプロピレン)シートを積層した基板材の基本構造を確立する。さらに、低温成形の特長を活かして加飾材および内蔵機能材へのダメージを回避しながら、シリコーン内蔵プレス金型を用いた部分高温接合を行うことで、接合強度と寸法安定性を確保し、三次元形状の付与を実現する。これを自動車の天井部材などの大型部材に適用することで、軽量化・高剛性化に加え、ワイヤーハーネス等の機能材内蔵と加飾の同時成形が可能となる。射出成形を用いない3D熱プレス成形技術として、多様な樹脂・金属との低温接合性、機能材内蔵性、リサイクル容易性を兼ね備えた新しい樹脂加工プラットフォームとしての普及が期待される。
自動車天井材などの大型樹脂部材に機能材を一体化できるため、組立工程や部品点数を削減し、生産効率の向上とコスト低減に寄与する。また、低温成形によるエネルギー消費の削減、加飾材・機能材への熱ダメージの低減、PPおよびPETを主体としたリサイクル容易な材料構成により、資源循環性の向上が期待できる。これにより、我が国ものづくり産業の競争力強化と、持続可能な循環型社会およびサーキュラーエコノミーの推進にも貢献する。
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