眼底画像は目の疾患診断に用いられるだけでなく、そこに撮像される網細血管や神経走行の状態から糖尿病や心疾患のリスク予測に活用されはじめている。これは眼底AI診断として医療活用が進んでおり、すでに米国FDAで認可されている。この認可ではトプコン社の機種が指定され、その後継機において、CMOSローリングシャッターと眼底ラインスキャンを同期させる撮像方式を採用し、瞳孔径が小さい状態(明環境)でも撮像可能な眼底カメラを実用化している。ここでは、後継機で実用化された撮像方法をスマートフォンのカメラで実現して、低価格で医療だけでなく健康市場でも利用可能なハンドヘルド型の眼底スキャナーの開発を行う(図1)。
スマートフォンカメラのCMOSもローリングシャッター機能を持つが、外部からその同期信号を取り出し制御することはできない。そこで、CMOSセンサに照明を当て、現れる輝線位置からローリングシャッターのズレを読み取り、このズレ量を補正して眼底ラインスキャンを同期させる同期光学系(図2)を独自技術として原理開発した(特許)。すでに原理実験機では十分な精度を実現しており、実用化開発ではこれらをシステムとして統合し、医療現場でのPOCを実施する(3台の試作機で有効性、実用性を検証)。
眼底画像は非観血で生体内の網細血管・神経走行を撮像できる唯一の場所であり、眼底AI診断は、今後、医療だけでなく健康管理にも利用されていくと考えられている。開発するシステムは、医療機関のほかドラッグストアなどでの利用も可能とする性能、使い勝手、価格帯である。医療市場は大手企業と連携して薬事手続き、販売を委ねる。健康市場は同社自身がサービスも含めて主体的にビジネスを行う計画である。
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