AIの普及に伴う電力消費量の増加を背景に、LNG火力発電を支えるガスタービン燃焼器部品の需要が拡大している。一方で、当該部品には高価な耐熱材料が用いられることに加え、素材調達リスクも顕在化しており、高品質な部品を低コストかつ安定的に供給できる製造技術の確立が求められている。
本技術開発は、ワイヤアーク溶接式金属3Dプリンタ(Wire Arc Additive Manufacturing:WAAM)を活用し、材料利用効率の向上、供給安定化、コスト削減およびリードタイム短縮を実現する高効率な燃焼器部品製造プロセスを確立することを目的とする。WAAMは、入手が容易な溶接用ワイヤを原料として肉盛り溶接を自動化し、最終部品形状に近い金属造形体を形成できるため、従来の鍛造加工に比べて切削除去量を削減できる。さらに、ベースプレート把持による変形抑制切削加工技術、ならびに複数個取り造形と放電加工を組み合わせることにより、材料歩留まり、生産性およびコストの改善が見込まれる。また、独自開発のガスフロー制御ノズルと積層パスにより、問題となる割れや気泡(ブローホール)など溶接欠陥の発生を抑制し、十分な材料強度を確保するとともに、高温クリープ強度を高めることで耐久性の向上を図る。
本技術により、高価な耐熱材料の使用量削減による材料コスト低減、製造リードタイムの短縮、調達リスクの低減による供給安定化を実現し、ガスタービン燃焼器部品の競争力向上に貢献する。また、材料ロスの削減による環境負荷低減や、複数の材料供給源を確保することによるエネルギーインフラのレジリエンス向上も期待される。さらに、WAAM材は高温環境下で優れた強度特性を示す可能性があり、今後、他の耐熱材料へ適用が拡大されれば、従来品を上回る耐久性を有する高付加価値製品の創出につながる。これにより、発電設備の高効率化と脱炭素社会の実現に寄与する。
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