新技術開発助成

第86回新技術開発-05

光コム干渉式二次元多点振動計測装置の実用化開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 光コム
代表取締役  福沢 博志
所 在 地
東京都千代田区
技   術
所 有 者
株式会社 光コム
技   術
開 発 者
株式会社 光コム
取締役 技術開発部長   今井 一宏

技術開発内容

 洗濯機等の家電製品、航空機や車両など、駆動部を持つ機械装置では不要な振動がエネルギー損失、異音、疲労、装置故障の原因となるため、振動発生の場所やメカニズムの特定と振動除去が不可欠である。振動は二次元に分布した振動モードとして現れるが、従来の振動計は1点測定が基本であり、面の振動をリアルタイムに捉えることは困難であった。
 本新技術開発では、光コム社の独自技術である光コム発生器(一定周波数間隔で並ぶ数百の波長からなる光を出力する光源)と光コム干渉計(周波数多重検出器)、光コムを測定対象に配列して照射する光コム投影器によって、面の振動をリアルタイムに計測・可視化できる高速で利便性の高い二次元多点振動計測装置の実用化を行う。速度レンジや分解能では他の振動計より劣る面もあるが、1台のカメラヘッドで多点の振動をリアルタイムに計測できる(非定常振動も測れる)装置は今までになく、新たな振動解析・検査の領域を切り開くものである。
 振動計測はこれまで試作段階での適用に留まっていたが、本装置によりインラインでの全数検査が可能となり、製造過程での品質向上に役立つ。また、航空機や車両のメンテナンス時に利用すれば、事故の未然防止への貢献も大いに期待できる。


図