コンクリート構造物の耐久性は環境によって異なるが、海岸付近では30〜50年と推定されている。
またその耐久性を50年から100年に延長する指針も国土交通省から出されているが、現在主流であるエポキシ樹脂塗装鉄筋では、その基準を完全に満たすことは難しいのが現状である。
エポキシ樹脂塗装鉄筋における問題点は、コンクリートとの付着強度の低下、柔軟性があげられ、特に曲げ加工においては、塗膜が破れてピンホール腐食を起こし、その結果、腐食が進行する。
本開発技術である高耐久性防食鉄筋においては、従来の技術にとらわれず、柔軟性、耐候性に優れた熱可塑性のPVB樹脂(ポリビニルブチラール樹脂)を採用し、新たな加工方法として、従来使用されていた静電塗装から、静電流動浸漬法を用いて、歩留率、塗装膜厚精度も大幅に改善されている。
さらには、自社保有技術であるスベリ止め加工の骨材付着技術に着目し、最終仕上げに無機粗粒体を付着させ、コンクリートとの密着性を高めコンクリート構造物の耐久性の向上を図ることが出来る。
本開発により、エポキシ樹脂塗装鉄筋の問題点であった、(1)原料歩留率 (2)曲げ加工性 (3)耐候性 (4)コンクリートとの付着性(5)ピンホール(6)傷防止の改善が図れ、コンクリート構造物の強度増強により、安全性、経済性が促進されるとともに、国土交通省の新たな指針である100年耐久性が実現でき、今後、安価で高耐久性の防食鉄筋の役割が大きくなる。
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