近年、省エネ観点で注目されているLED光源を利用した照明器具が提案されているが、LED光源は熱特性により寿命、効率が大きく低下するため、一般的には大型化、ヒートシンクなどによる重量化が不可避で、300W〜500Wの水銀灯の代替は実現していない。本開発は、自社保有のインサート成形技術を用い、放熱特性に優れたLED基板を開発して、天井の高い工場や事務所の大型照明器具の高効率、高照度、小型・軽量化を可能にする技術である。
従来、エポキシ材料、またはアルミ薄膜で構成されていたLED基板では、エポキシ樹脂の熱抵抗が大きく放熱性が不十分であり、それを抜本的に改善するため導電金属板をインサート成形したLED基板を開発する(図1(b))。導電金属板は放熱性の良い銅(t=0.3mm)を用い、インサート成形材料はフィラー材を混入した高熱伝導性樹脂を使用する事により、従来に比べ大幅な熱抵抗値の改善(エポキシの1/20)を図る。更に、発光効率の向上を図るため、効率よく前方へ照射させる反射板、レンズの構成による配光制御技術も適用する(図1(c))。
本技術により、比類ない放熱特性の良いLED基板を提供でき、消費電力は300W〜500Wの水銀灯の1/2から1/3以下、また、軽量化については4.5kgと一般照明器具と同等になり、更に寿命も4万時間を確保でき、結果、省エネ社会の推進に貢献できる。
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