近年アレルギー疾患を持つ人は増加の一途をたどり、3人に1人はアレルギー疾患を持つと言われている。アレルギー検査では、特定IgE(免疫グロブリンE)抗体の測定をおこなうが、現在の特定IgE検査の主流は検査会社への受託解析であり、その場で結果は出ない。また必要な血液検体量も多く小児には大きな負担となっている。本開発では極微量(指先採血)の血液で7項目以上の抗体価を15分以内でその場で調べられる迅速診断装置の開発を目指す。
本技術開発は、理化学研究所で開発された光反応性ポリマー基板への光照射による生体分子の基板上への固定する技術をベースに、アレルゲン測定用チップカセット(図1(a))を開発し、必要な検体量や試薬液の大幅な削減、さらに独立な2軸のみの移動で反応、洗浄、信号観察のチップ計測プロトコルの操作性を実現し、装置の小型化・低価格化および迅速測定を実現させる(図1(b))。
本技術開発により指先採血等の極微量の血液で、その場での結果取得と対応処方を可能にさせる。すなわちポイントオブケア検査(POCT:Point Of Care Testing) の展開による、医療の質の向上と医療費の大幅な削減に大きく寄与することが期待される。
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