新技術開発助成

第87回新技術開発-10

トイレに流せる分解性人工肛門装具の開発

技 術 開 発
契 約 者
アルケア株式会社
代表取締役   鈴木 訓夫
所 在 地
東京都墨田区
技 術
所 有 者
アルケア株式会社
技 術
開 発 者
アルケア株式会社
開発部   佐藤  誠

技術開発内容

 国内に15万人といわれる大腸癌などの疾病によるオストメイト(人工肛門保有者)は、これまでプラスチックフィルムを材質とするストーマ袋(人工肛門装具)に排泄物を溜め、交換の際はトイレで(1)排泄物を袋から絞り出し、(2)袋を洗浄、(3)新しい袋の装着、(4)交換した袋を持ち帰り処分する、といった著しく不自由な状況を余儀なくされており、外出時や就業時においては大きな負担となっている。このため、そのままトイレに流し投棄できるストーマ袋の開発は、オストメイトの負担軽減と社会復帰に大いに貢献するものと期待される。
 本技術開発は、装着時には排泄物を保持する耐久性・破袋性を有する一方、投棄後には浄化槽内で24時間以内に数センチの切片にまで分解可能な独自の内袋を有する2重構造のストーマ袋実用化開発である。内袋のシート成分には、天然高分子及び生分解性樹脂ポリカプロラクトンに加え、分解性のトリガーとなる生分解樹脂の加水分解酵素を内在することを特徴とする。これまでのシート成分合成研究では、水中24時間静置後、骨格成分であるポリカプロラクトンは加水分解酵素により分解すること、更にシートの伸び率は下がっていることは確認しているが、破断強度は下がらずにシート形状を保持し切片状に至らないという問題が顕在化している。このため内袋成分の配合調整等により、内袋の耐久性・破袋性と分解性の 両立の実現を目指す。


図