環境を守りつつより効率よくエネルギーを生み出す事が求められている現状に鑑み、発電機などに用いる蒸気タービンの効率の向上は必須の課題である。本技術開発は、新開発した高精度一体プレス成形技術を応用して、蒸気タービンに用いる中空ノズル翼を効率よく製造する新技術の開発である。
近年、蒸気タービンの高出力化と高効率化において、翼の長大化と回転数の増加に伴い、湿り蒸気中に発生する水滴が引き起こす、タービン翼の浸食や効率の低下が大きな問題となっている。タービン翼に付着した水滴を効率よく取り除くために、固定翼に中空ノズル翼を用いることが求められているが、精度が高く効率の良い製造方法が確立していなかった。独自開発した高精度一体プレス成形技術を応用し、高精度な中空ノズル翼を製造するための新技術を開発する。本技術は、従来の手法に比べ使用する金型が少なく、さらにプレス工程も単純であるため、極めて効率よく中空ノズル翼を製造することが可能となる。
本技術開発により高精度な中空ノズル翼が効率よく製造されると、これまで主流であった鋳造技術による中空ノズル翼に比べ、肉厚が極めて薄くなり軽量化と低コスト化を達成できる。さらに、より複雑な形状の翼をより精度良く製造することが可能となり、水滴対策はもとより、タービンの高効率化に大きく貢献する。
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