新技術開発助成

第93回新技術開発-07

自動車シュレッダーダストプラスチック有価回収システムの開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 サイム
代表取締役 土田 保雄
所 在 地
福岡県嘉穂郡
技 術
所 有 者
上記技術開発契約者に同じ
技 術
開 発 者
上記技術開発契約者に同じ

技術開発内容

 使用済み自動車は解体後、金属・部品の多くはリサイクルされるものの、残されたシュレッダーダストのリサイクルには課題が残されている。本技術では、こうした自動車シュレッダーダスト(ASR)の高リサイクル率と水平リサイクル化を目指して、高品質なPP、PS、ABSなどのプラスチックをインラインで選別するためのシステム開発に取り組むものである(図1)。
 本目的を達成するべく、ASRから高品質のプラスチックを選別するために、まずASRに混在する木片ならびにゴムの分別処理方式を新たに考案するとともに、水比重を用いることによってPP(低タルク)を選別する。次いで、ラマン散乱によりPP(高タルク)の識別および選別を行うユニットを開発し、そのインライン化とシステム化を行う。特に、これまでラマン散乱を用いても識別が困難であった黒色プラスチックを識別できる専用ユニットの開発および高速に選別するためのエアガンを備えた機構を統合化する(図2)。
 本技術によって、喫緊の課題であるASRのリサイクル率を高めるとともに、自動車から自動車へと水平リサイクルできるシステムとしての確立と、その事業化により、業界の強いニーズに応えることが期待される。さらに、家電や他の製品リサイクルにも応用展開が期待でき、広範な市場性・社会性・公益性が期待される。

図


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