新技術開発助成

第94回新技術開発-04

積載状態ドラム缶の内面欠損を外面から検出する技術の開発

技 術 開 発
契 約 者
株式会社 アルファ・プロダクト
代表取締役 金川 典代
所 在 地
東京都葛飾区
技   術
所 有 者
上記技術開発契約者に同じ
技   術
開 発 者
株式会社 アルファ・プロダクト
専務取締役 原 徹

技術開発内容

 原子力発電所内の専用倉庫にパレット積みで保管されている低レベル放射性廃棄物が封入されたドラム缶は、その安全管理上、保管された状態で発生し得る腐食による穴を、保管された状態で簡便かつ正確に検査する必要がある。
 本新技術開発では、新しい超音波探傷法として、偏向された超音波振動(SH波)が壁内部を横方向に伝播する性質(図1)を利用して傷や穴を検出する。さらに、回転運動を付与することにより、ドラム缶側面全体の探査を行う方法と、フェーズドアレイ探触子を利用して底板の穴探査を行う方法とを組み合わせ、ドラム缶全体を少ない振動子(側面:6個)、測定箇所(底面:3箇所)により短時間かつ簡便に保管された状態で検出する手法を考案、この検出手法に基づいて、簡便かつ効率良くドラム缶全体を検査して、傷や穴の存在箇所を正確にマッピングするための専用探査機(図2)の開発を目指す。本専用探査機は、ドラム缶側面の一部にマグネットで装着して、ドラム缶の保管状態によらず全体を走査・検査できる。
 なお、低レベル放射性廃棄物を封入したドラム缶のみならず、PCB保管ドラム缶、汚泥タンクにも適用が可能であり、高度な安全管理技術として、その実用化には高い公益性が期待されるとともに、将来は飛行機胴体の検査技術への波及も期待される。


図

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