新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 017

第84回 平成21年度第2次助成テーマ

完了認定 平成23年5月
代表取締役 石 垣 祐 紀
代表取締役
石 垣 祐 紀
企業名 株式会社イオンテクノセンター
会社概要 設立 :2008年6月
資本金 :10,000,000円
従業員 :17人
事業内容 イオン工学に関する装置による金属、セラミックス、半導体材料等の表面処理等の加工
物理分析評価サービス業務など
助成テーマ名 高温イオン注入の効率化改造および注入/アニール最適条件探索

開発技術の概要

 SiCは省エネルギー社会を実現するキーテクノロジーとも言われている次世代半導体材料ですが、イオン注入において不純物を導入する時に条件により試料を高温に加熱してイオン注入を行う必要があります。弊社ではイオン工学センター/研究所の時代よりSiCに対する高温イオン注入に精力的に対応して参りました。しかし、基板の交換をチャンバーをベントして手作業でおこなってきたために、作業効率は限定されておりました。今回の助成のメインは、基板搬送系および注入時に基板を載せるプラテン部分を改造して、チェンバーを大気にベントすることなく、基板搬送系を用いて基板の交換を可能とすることでした。また、高温注入時にビーム電流測定系にノイズが入ることがあり、これに対する対策としてビーム計測系を改造して直接測定方式から間接測定方式に変更致しました。この結果、基板搬送に要する時間は著しく低減し、効率のよいイオン注入が可能となりました。また、ビーム計測系の改造により高温注入時にも測定系がノイズの影響を受けることなく、安定した計測が可能となりました。

 以上のような装置の改造による高温イオン注入の効率化と同時に、イオン注入/アニールの最適条件の探索の作業もおこないました。もともと弊社はイオン注入時の温度の効果に注目して独自に調査を始め、150℃あたりに臨界温度がありそれほど高温(600℃以上)にしなくとも高温注入の効果が発現する条件があることを2004年ごろに見出し、それ以降断続的に最適な注入時の温度の探索を行ってきました。今回は、注入時の温度(室温から500℃)とアニール温度(1200℃〜1800℃)の組み合わせで最適条件を探索するためのデータベースの作成をおこないました。イオン注入の条件は、p型の浅く濃い注入(Alで200nm深さ、濃度は1X1019〜4x1020/cm3)、p型の薄く深い注入(Alで600nm深さ、濃度は4X1017〜4X1018/cm3)、n型の浅く濃い注入(Pで200nm深さ、濃度は4X1018〜4X1020/cm3)、n型の浅く薄い注入(Nで200nm深さ、濃度は1X1018〜4X1019/cm3)を選択しました。電気特性の評価は一部しか出来ておりませんが、チャンネリングRBSを中心とした損傷評価を中心にデータベースが構築されつつあります。

図

これからの計画

 イオン注入装置の改造により自動搬送系で5インチまでのSiC基板の取り扱いが可能となっております。6インチSiC基板に関しては入手できる基板がないためにまだ確認が出来ておりませんが、搬送は可能である見通しです。
 イオン注入/アニールの最適条件の探索の作業は今後もより実際のプロセス条件に近い条件によりデータベースを拡充していく予定ですが、今後は電気特性のみならず、イオン注入により誘起された欠陥の評価を取り入れていく予定です。

企業からのお願い

 弊社はイオン工学センター/研究所の時代より、さまざまな材料にイオン注入をおこなう技術を確立することを試みて参りました。半導体、無機物、有機物、微結晶等、任意に元素を導入する技術としてのイオン注入に興味があるけれども実際にどのようにすればいいのかわからないといった方はぜひご相談ください。

問い合わせ先 E-Mail:info@iontc.co.jp
TEL:072-859-6601
FAX:072-859-5770
URL:www.iontc.co.jp