新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 078

第111回 令和5年度 第1次

完了認定 令和7年1月
代表取締役CEO・尾藤 健太
代表取締役CEO
尾藤 健太
代表取締役CTO・前川 駿人
代表取締役CTO
前川 駿人
企業名 Global Vascular株式会社
会社概要 資本金 :250,001,420円
従業員 :10名
事業内容 医療機器の設計開発、研究、コンサルティング 等
助成テーマ名 浅大腿動脈治療に用いる次世代ハイブリッド薬剤溶出型ステントの開発

開発技術の概要

当社では、下肢閉塞性動脈硬化症(LEAD)の治療効果向上を目指して、血液適合性が報告されている炭素系ナノコーティングとそれに最適に設計した薬剤溶出・生分解性ポリマーコーティングを応用した、浅大腿動脈(SFA:膝上の動脈)用の薬剤溶出性ステント(DES):Hybrid-DESを開発しています。
下肢閉塞性動脈硬化症(LEAD)は全身性の動脈硬化症(心筋梗塞・脳梗塞などの原因)が下肢に発症し、血管が閉塞する疾患である。LEADの一般的治療法は、血管内治療による血流再開です。ステントは金属製の網目状円筒で、血管内治療において長期の血管開存を目的とした留置デバイスとして使用されます。フッ素添加ダイヤモンドライクカーボン(F-DLC)は、血栓(血液成分の凝集体)や炎症細胞付着を低減する血液適合性を有することが報告されています*。当社では下肢ステントの治療効果向上を目指して、F-DLCを下肢ステントに用いられるニッケルチタン合金にコーティング可能な技術を実現してきました。そして、独自に設計した薬剤溶出性コーティングと組み合わせて、下肢用のNiTiステントとして世界で初めて、初期の薬剤溶出後にポリマーが消失し炭素系ナノコーティングの表面が現れるHybrid-DESを開発してきました。本開発では、これまで膝下(BTK)ステントの実用化に特化して開発を進めてきたノウハウを活かして、SFA用Hybrid-DESの実現を目指しました。
本開発ではSFA用に新たにステントデザインを開発するところから着手し、カテーテルの改良にも取り組み、SFA用のHybrid-DESデリバリーシステムの実現を達成しました。
*: T. Saito, T. Hasebe, S. Yohena, et al., Antithrombogenicity of fluorinated diamond-like carbon films, Diam. Relat. Mater. (2005)

写真

これからの計画

今後は開発品の市場展開に向けて、細かな設計の調整および非臨床における安全性の評価試験を進めます。安全性評価をin vitro/in vivoにて実施することで製品の安全性を示し、治験の実施に向けて進んでいきます。将来的には国内から海外へ展開できる製品を目指しています。

企業からのお願い

Global Vascular株式会社はナノテクノロジーで世界初の最先端血管内治療を実現するアカデミア発医工連携プロジェクトから生まれた高度管理医療機器「下肢動脈疾患用薬剤溶出性ステントデリバリーシステム」の開発企業です。
弊社では本研究成果を含めた最先端医療機器の実用化を目指して、日々取り組みを進めております。事業をさらに推し進めるために一緒に働いていただける方々を募集しております。
医療機器開発の最前線で働くことに興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、当社HPからのご連絡をいただけますと幸いです。

Global Vascular株式会社 採用ページ
https://www.g-vasc.com/recruit



問い合わせ先 E-Mail:s-maegawa@g-vasc.com
TEL:03-6161-3654
FAX:なし
URL: https://www.g-vasc.com/