新技術開発助成

助成テーマ完了認定企業紹介 080

第110回 令和4年度 第2次

完了認定 令和6年7月
代表取締役・小野P 隆一
代表取締役
小野P 隆一
企業名 Craif株式会社
会社概要 資本金 :100,000,000円
従業員 :66名
事業内容 「人々が天寿を全うする社会の実現」をビジョンとして掲げ、がん領域を中心とした疾患の早期発見を目指した検査の研究・開発および、次世代がんリスク検査「マイシグナル®シリーズ」の提供
助成テーマ名 次世代型の多項目迅速検出チップ・システムの開発

開発技術の概要

概要:だ液と試薬を混合して DNA を増幅後、専用キットに挿入するだけで、わずか1時 間程度で脊髄性筋萎縮症(SMA)スクリーニングが可能な技術
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背景:
SMAは先天的な遺伝子変異が原因で多くが乳幼児期に発症し、運動発達が障害され、哺乳、食物の飲み込み、呼吸などが困難となる神経性難病です。適切な治療が施されない場合、死亡に至ることもあります。
近年、SMAの運動発達障害を改善する治療法が開発されていますが、病気が発症または進行してからの治療では効果が限定的です。そのため、発症前や発症後早期に発見し、早期治療に繋げることが極めて重要です。そうした中で2023年11月、こども家庭庁は「新生児マススクリーニング検査」にSMAを追加する方針を固め、将来的に全国で公費による検査が実施されることを目指しています。
一方で、現行の「SMAスクリーニング検査」は採血と高度な検査設備を必要とするため、専門検査機関を経由して検査結果を受け取るフローが主流になっています。そのため検査結果が得られるまでに約1~2週間を要しており、治療開始までの時間を短縮するべく出生後可及的速やかに結果が分かる新規検査が求められています。

技術の新規性:
SMAの原因遺伝子(SMN1)と類似遺伝子(SMN2)を高精度に識別しつつ、高効率なDNA増幅を可能にする新規プライマーの開発
二値(陽性/陰性)で結果の判別が可能な検出システムの開発
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検査手順:
STEP1 唾液をPCR試薬に混合し、簡易サーマルサイクラーにて標的遺伝子領域を増幅
STEP2 チューブを専用キットに挿入し、内容物を紙デバイスに展開
STEP3 青色バンドの出現の有無を確認(1本=SMA疑い,2本=非SMA)
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これからの計画

本成果物を用いた大規模前向き臨床試験を開始し、2025年以降の実用化に向けて準備を進めています
その場で迅速に標的核酸配列を検出する独自技術を活用し、SMA以外の遺伝性疾患をはじめとした各種疾患のスクリーニングに応用予定です

企業からのお願い

Craifはノーベル賞受賞で話題になった「マイクロRNA」を尿中から捕捉しAIで解析し、高精度に今のがんリスクを調べる世界初※の検査、マイシグナル®を提供する企業です。
「人々が天寿をまっとうする社会」を実現するため、この度市村清新技術財団様のご支援を受け、高い技術力を生かし新生児の難治性遺伝病検査を開発しました。ご関心をお持ちの医療機関や地方自治体、法人の方はぜひお問い合わせください。

お問い合わせ
https://craif.com/contact/
※ 尿×AI×マイクロ RNA を用いたがんリスク検査サービスとして(第三者機関調査)



問い合わせ先 E-Mail:hp_contact@craif.com
TEL:03-6801-8334
FAX:なし
URL: https://craif.com/